【頂上作戦から10年】工藤会の元組員が語る“当時”と“その後” 北九州市の街は今 4つの市民襲撃事件は最高裁へ
ことし3月の控訴審判決で福岡高裁は、1審の野村被告に対する死刑判決を破棄し「無期懲役」を言い渡しました。その後、検察と野村被告の双方が上告し、舞台は最高裁へと移されることになります。
■家宅捜索 「なんしようか、コラ、逮捕せい、逮捕、逮捕、逮捕せい。」 これまで幾度となく警察の捜索を受けてきた本部事務所。2019年に解体されました。 ■記者 「工藤会館と書かれた看板が今、取り外されました。」 跡地では福祉施設の建設に向け、準備が進められています。 さらに、工藤会の最大組織で野村被告の出身母体である田中組の本部事務所も更地になりました。そして、歓楽街にある事務所も撤去され、今は駐車場となっています。
■福岡県警本部長(当時) 「工藤会の構成員、準構成員も一人の人間として大きな岐路に立っているはずです。今が生まれ変わり、人生をやり直すチャンスです。」 2008年のピーク時、1210人にのぼった工藤会の構成員・準構成員は、去年末時点で240人となり、5分の1に減少しました。今回、私たちが取材した元組員も、頂上作戦が始まったのち、工藤会を離脱したといいます。 ■元組員 「統制しとる人がいなくなると不安に思う人もいっぱいおったやろうし、今後どうなるかっていう見通しも立たない。どんどん、みんなの絆も緩んでいったっていうか。みかじめだけで食べていた人も中にはおるとは思うんですけど。 そういった人たちにとっては収入がないとヤクザやっていけん。じゃあ普通に仕事しようという流れですよね。」
“修羅の国”と揶揄(やゆ)されてきた北九州の街にも変化がありました。頂上作戦の着手後、北九州市の刑法犯の認知件数は、ほぼ半減しています。一方で、北九州市の企業誘致は増加傾向で、去年は過去最高を更新しました。 ■北九州市・武内市長(10日) 「暴力団に屈しないという強い思い。北九州市の治安情勢は劇的に改善し、安全安心な街へと変貌を遂げました。」
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