半世紀前のスポーツカーが復活 クラシカルな外観に現代的装備 ジャガー「Eタイプ」2台限りの記念モデル
初期型をベースに後期型のテイストを追加
英国のジャガーは、かつて生産されていたスポーツカー「Eタイプ」の引退から50年を記念して、2台の特別な復刻モデル「Eタイプ・コメモラティブ(E-Type Commemorative)」を発表した。 【写真】すみずみまで高級品… 美しき英国産スポーツカー【ジャガーEタイプ・コメモラティブを写真で見る】 (17枚) ジャガーのヒストリックカー部門であるジャガー・クラシックが、オリジナルの設計図を基に、東南アジアの顧客向けに一から製作したものだ。 この2台は初期のシリーズI(S1)仕様をベースとしながら、後期のシリーズIII(S3)にインスパイアされたデザインとなっている。どちらもドロップヘッド・クーペで、1台はシグネットグリーン、もう1台はオパールブラックで仕上げられた。 パワートレインは、1961年から1964年までEタイプに搭載されていた3.8L直6だが、オリジナルの3連SUキャブレターの代わりに電子制御燃料噴射装置が採用され、トランスミッションは4速ではなく5速マニュアルとなっている。 最高出力などは公表されていないが、シリーズIの265psを上回ることは間違いない。 室内にはBluetoothやフロントガラスヒーターなどの快適装備が「さりげなく」組み込まれている。 手織りのブリッジ・オブ・ウィアーのタンレザーシート、オリジナルの設計図が刻印されたアルミニウム製センターコンソール、ローレット加工されたシルバーのトグルスイッチなども特徴的だ。 また、バッジは英国バーミンガムの有名なジュエリー会社、ディーキン&フランシスが18金とマザー・オブ・パールで作成したものである。 2台のEタイプ・コメモラティブの価格はまだ明らかにされていないが、ジャガー・クラシックが2021年に発表したEタイプのレストアモデルの31万5000ポンド(約6200万円)を大きく上回るだろう。2台の製作にはそれぞれ2000時間以上を要したとされている。 ジャガーは12月に次世代EVのコンセプトモデルを発表する予定だが、その後約1年間は新車の販売は行わず、2026年の全面的なEVシフトに向け、アフターサービスとブランド・ポジショニング活動に注力する。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)