パリ五輪で銅メダルの志田/松山ら、ツアーファイナルズ出場権獲得なるか | バドミントン ワールドツアー 熊本マスターズジャパン 2024 プレビュー
若手は来季以降に向けた自信と世界ランクポイント獲得を
ほかの2種目は、男子ダブルスで保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)、混合ダブルスで緑川大輝/齋藤夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)が、ともにツアーランク14位で日本勢最上位だが、ファイナルズ出場権獲得は厳しい状況にある。ただ、2028年ロサンゼルス五輪を狙う緑川/齋藤ら若手にとっては、ファイナルズ出場ばかりでなく、来季以降に向けて世界ランクを上げることも重要で、熊本マスターズでの飛躍を狙いたいところだ。日本開催のため、予選から出場する日本選手も多い。昨年の大会では、男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)が予選からベスト8へ進出して会場を沸かせた。また、日本B代表の大林拓真(トナミ運輸)が世界ランク3位の上位シードを破って4強入りするなどインパクトを残した。
地元・熊本県出身で男子シングルスに出場する田中湧士(NTT東日本)は、躍進を狙う若手の一人だ。「120%の力と結果を出して、地元のお客さんに喜んでもらいたい」と意気込んでいる。パリ五輪後のダイハツジャパンオープンからトップクラスの国際大会に参戦。五輪連覇のアクセルセンら世界ランク1ケタの選手と対戦し、新たな経験を積んでいる。まだ世界ランクは27位で、シード下に入ることが多く難しい試合が続いているが、田中は「シード選手と対戦すると、何もかも足りていないと感じるけど、考え方ややり方で変わるところは絶対あると思う。強がりになるかもしれないけど、若干の手ごたえもある。何か一つ変われば。まったくチャンスがないとは思わない」と進化の鍵を探っている。11月5日に発表された組み合わせで、1回戦の相手は、世界ランク6位のジョナタン・クリスティー(インドネシア)に決まった。あっと驚かす番狂わせを起こせるか、注目だ。大会の開幕は、12日。日本を代表する選手たちが各々の道を切り拓く戦いが、始まる。
文:平野貴也
平野 貴也