【復刻掲載】「石破 茂、プラモを語る!」 2007年の週プレ独占インタビューを再掲載!
――でも、大和の後期型などは対空機銃が162門もあって、パーツを外すだけでもメンドくさいですよねえ? 「全然!(キッパリ)。あの短い対空機銃は実戦ではほとんど役に立たなかったといわれてますが、細かい造形を再現するのもプラモデルの楽しみなんですよ! でも、全長130cm以上ある大きな模型ですから、塗装して完成させるまでに3ヵ月はかかりましたね」 ――作った後は、艦首にデッカイ穴が開いて『宇宙戦艦ヤマト』になるぐらいジックリ鑑賞ですか? 「もちろん鑑賞もしますが、今度は『海で走らせたい!』と野心が生まれて。当時から水中モーターはありましたが、あれは不恰好ですから。キットのスクリューを活かしつつモーターを動力にして走行できるようにして、夏休みにそれを烏取の海に浮べましたよ」 ――うわ~~っ! それって『男たちの大和』を超える感動ストーリーですよ。もちろん、その制作総指揮を務めた石破少年は女子にモテモテっスね。 「そりゃ......モテねえだろ(笑)」 ――し...失礼いたしました! ところで、プラモといったら〝改造〟という大テーマがありますが、よく架空戦記みられるような『戦艦大和近代化改修』なんて改造はしなかったんですか。例えば、大和にイージスシステム載せちゃうような魔改造なんかは...⁉ 「それはしないよ! イージスは船としてキレイじゃないんですよ(笑)。でも、大和の主砲の射程は40km。もしロサンゼルスまで大和が出てって、主砲をブッ放せば効果はあったのでは?とか空想したりはしましたね。戻ってはこれなかったと思いますけど」 ――プラモだけでなく、実在の戦艦大和にも深い思い入れがあるのですね。 「大和型は戦後日本の造船技術だけでなく建築技術の近代化にも貢献したエポックメイキングな戦艦。大和も武蔵も当時、世界最高の船で日本の象徴でしたが、2隻とも儚い最後を迎えました。そのあたりが日本人の心に訴えて、いまだに人気なんでしょうね。でも、機能的なものは美しいし、感動します」 ――その後はどんなモデルの制作を? 「護衛艦『あまつかぜ』『やまぐも』『あさぐも』『たかつき』...。戦車や戦闘機を含めて200体以上は作ってます。特に『たかつき』は大好きですね(前ページの写真の艦船)。マストと煙突が一体化したMAC構造を採用したデザインがいい。これで一番美しい仕上がりなのは手すり。素人の私でもパーツを伸ばして加工しますが、これはとてもできがいいですよ。やはり戦艦が一番好きですね」 ――ど~して、そんなに戦艦フェチになっちゃったんでしょうか? 「小6の時に体験航海というのがあって境港から護衛艦に乗ったんですが、これが当時最先端の近代的な船で感激しましたね。それが原体験にあるから、やたら海自好きになったのかな。だから、大臣になった今も気をつけてバランスよく陸・空も見るようにしていますけど、どうしても海にウエイトが偏りがちなんですよ(笑)」