「広告を楽しいものに」:米ゲーム制作会社が300万人の ロブロックス プレイヤーを投票へと駆り立てた方法
記事のポイント Robloxを活用したバーチャル投票は、楽しいゲーム体験で若者に投票意識を広めることに成功した。 300万人以上が参加し、50万人がRobloxの特設マップを体験。4000人が新規有権者登録を行った。 企業やアスリートの協力で魅力的なデジタルアイテムを提供し、参加を促進した。 ブランドゲーム制作会社バーチャルブランドグループ(Virtual Brand Group)のCEOであるジャスティン・ホッホバーグ氏が、ロブロックス(Roblox)上に「バーチャル投票(Virtual Vote)」というイニシアチブを立ち上げた目的は単純だった。つまり、若者が時間を過ごしている場所で彼らに会い、ありきたりな「投票に行こう」というメッセージなしに市民参加を促すことだ。 ホッホバーグ氏は、「バーチャル投票」のアイテムをデザインした25歳のRobloxのクリエイターでWhosetradeという名で知られているジョナサン・コートニー氏に協力を仰いだ。10月7日から11月1日までの3週間のキャンペーンでは、ファッションやソーシャルゲーミングに注力することで、300万人のユーザーを引きつけ、投票について学んでもらった。 ホッホバーグ氏は、1990年代に始まったMTVのキャンペーン「ロック・ザ・ヴォート(Rock the Vote)」の成功にヒントを得たと語る。同氏は、Robloxを今日のZ世代向けの「町のポップカルチャー広場」と呼んだ。
1億回のインプレッションを記録
プレイヤーは、現在までに47億人のユーザーが訪れている「ライブトピア(Livetopia)」や、総訪問者数3310万人のカーリー・クロス氏の「ファッションクロゼット(Fashion Klossette)」といったRobloxの人気ゲームのポータルから「バーチャル投票」ゲームにアクセスした。 ゲーム内に入ると、ゲーム内広告がプレイヤーをスーパーリーグゲーミング(Super League Gaming)の「アンロック可能」システムに誘導する。そこで個人情報を入力し、非営利団体のヘッドカウント・オーアールジー(headcount.org)によって確認された投票者のステータスをチェックした人に、デジタルアイテムや限定アクセスを配布した。 アイテムには、Whosetrade氏がオークリー(Oakley)と提携してデザインしたジェイミー・アンダーソン氏のゴーグルや、アンダーソン氏と一緒にスノーボードレッスンを受けられる全額費用負担の旅行が当たるチャンスなど、セレブリティの懸賞などが含まれていた。このイニシアチブには、「バーチャル投票」の開発に関わった30社以上の企業が無償で資金を提供しており、一部はヘッドカウント・オーアールジーが資金提供を行っている。 キャンペーンのリーチは、Robloxのブランドポップアップの平均を上回った。バーチャル投票は、300万回の訪問と1億回のメディアインプレッションを獲得、さらに50万人のプレイヤーがカスタムメイドの選挙人団マップゲームに参加し、4000人近くの新規有権者が登録または自分のステータスの確認を行った。ちなみにホッホバーグ氏によると、テイラー・スウィフト氏の10月のインスタグラムへの投稿によって、有権者教育サイトへの訪問数は約40万5000回に達したという。