Jリーグで酒井に続き舩津、永石と新型コロナ感染選手が続出…なぜ事態は悪化しているのか?そして再開への影響は?
感染が確認された4人は、クラブを通じて日々記録していた行動履歴などを所管の保健所へ提出。例えば「このときはどの場所に座っていたのか」などといった点にまで、保健所側も微に入り細をうがって調査を進め、感染経路の特定や濃厚接触者の把握を急いでいる。 先月27日から11連休に入っているヴィッセルは、先月31日から練習拠点のいぶきの森球技場への立ち入りを禁止し、クラブ事務所などの業務も休止している。ザスパは1日から活動を当面停止し、選手およびスタッフを自宅待機とすることを決めた。オフ明けの先月24日から永石が4日間練習に参加していたことを受けて、セレッソも永石の発症から2週間の活動停止を決めた。 「発症した選手から申し訳ないというコメントが出てきていますが、相当な緊張感や不安のなかでギリギリのコンディション作りに何度も挑戦して、なかにはかなり体脂肪を絞った選手もいると思います。その意味では、選手の免役力を下げてしまったところは選手個人の問題だけではなくて、リーグ全般がケアすべき問題だと思いながら、感染を拡大させない努力を重ねていきます」 現時点でザスパ、セレッソともに新型コロナウイルス感染症や風邪などの症状を訴えている選手、スタッフがいないことを受けて、村井チェアマンは公式戦の延期に次ぐ延期が続く未曾有の状況が、選手たちにさまざまな影響を与えている、と思われる現状に表情を曇らせた。 ただ、状況は予断を許さない。サッカー界でさらに感染が拡大していけば、今月25日のJ3、来月2日のJ2、同9日のJ1と段階的に再開させていく青写真も再考を余儀なくされるのは必至だ。 「まずは我々が取り得る、最大限の範囲での準備をしっかり重ねていきます。そのなかで世の中の趨勢を鑑みながら、その都度、機動的に判断していこうと考えています」 青写真を具現化させる努力を継続させながら、同時進行で新型コロナウイルス禍の推移も注視していく。選手たちにも感染者が出はじめたことで、Jリーグはより難しい舵取りを迫られることになった。 (文責・藤江直人/スポーツライター)