Jリーグで酒井に続き舩津、永石と新型コロナ感染選手が続出…なぜ事態は悪化しているのか?そして再開への影響は?
ここで気がつくのが、ヴィッセルが「トップチームの関係者」という表現にとどめている点だ。選手はもちろんのこと、トルステン・フィンク監督以下の首脳陣やトレーナー陣、通訳、マネージャー、広報なども関係者でひと括りにされるが、ヴィッセル側としては詳細を説明する意向はないという。 「選手自身の判断で実名が公表されているケースもありますが、自分自身の行動をしっかりと管理し、濃厚接触者を記録していて、保健所の指導に従いながら感染経路を特定する作業に全面的に協力できる状態にあるならば、原則としては氏名の公表は必ずしもマストとはしていません」 感染が判明した際のプロトコールの一部を、村井チェアマンはこう説明する。具体的には【1】37.5度以上の発熱が2日続く【2】PCR検査を受けることが決まった【3】PCR検査で陽性反応が出た【4】感染者の濃厚接触者と認定されたときや、あるいは疑いがあると見なされた――場合にクラブからリーグへの連絡が義務づけられ、氏名公表は最終的にクラブごとの判断に委ねられている。 酒井や舩津、永石が同意したことでそれぞれのクラブは氏名公表に至っているが、村井チェアマンはこんな言葉をつけ加えることを忘れなかった。 「今回の神戸のケースを実行委員会で共有したなかでは、家族や友人、知人を含めたさまざまなところへ、かなりの取材もしくは問い合わせが殺到し、私生活が脅かされる状況にあると聞いています。そうした背景も鑑みていただき、氏名を公表する場合に関しては取材などをご配慮いただければ」 村井チェアマンが言及した神戸のケースとは、Jリーガーで初めての感染者となった酒井を指している。クラブの公式ホームページと自身のインスタグラム(sakai_go1123)の両方でコメントを発表した酒井は、前者にはなく後者だけで偽らざる思いを綴ってもいる。 「幸いにも、単身赴任で家族とは離れて暮らしておりました。家族は現在元気に過ごしております。こういう状態であるのは百も承知ですがそっとして置いて頂けると幸いです。宜しくお願い致します」(同)