ドル円は1ヶ月で161円から140円台に…FXを「少額」で始める人がおさえておきたい4つの注意点
ドル円は1ヶ月で161円から大幅に変動。現在は142円台で推移しています。 為替相場が大きく変動する中、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の値動きを予測して売買を行う「FX」にも大きな影響が生じています。 ◆【大きく動いたドル円】2024年 年初来のドル円チャートを見る そこで今回は、為替の変動が特に大きくなっている今、FXを少額で始める人がおさえておきたい注意点を4つ紹介していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
ドル円の大変動
2024年7月31日、日本銀行は金融政策決定会合において政策金利の引き上げを決定。植田和男総裁も会合後の記者会見で追加利上げに意欲的な姿勢を示したことから、「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが発生しました。 「円キャリー取引」とは、低金利通貨である円で借り入れを行い、高金利の国の通貨で運用することによって、運用益に加えて金利の利ざやを獲得しようとする取引のことを指し、今回、予想外の日本銀行の追加利上げなどを受けて、この円キャリー取引の解消が一気に加速し、急速な円高が進むこととなりました。 ●1ヶ月で161円から140円台に… 円相場は、7月上旬に37年半ぶりの円安水準となる1ドル=161円96銭まで下落していました。しかし、2024年8月5日には一時141円台後半まで上昇する動きを見せ、およそ1ヶ月足らずで20円程度もの円高が進むこととなりました。 これは、年初からの下落分をほぼ全戻しするほどの動きで、FX取引を行う人たちにとっても大きな衝撃となりました。
FX取引を少額で始める人がおさえておきたい注意点4つ
今回の大きな相場変動を見て、FX取引に興味を持ち、実際に取引を始めたという方も少なくありません。 しかし、相場の変動が大きい=利益が出るとは限らないため、次項から紹介する注意点をしっかりと理解して取引を行うことが大切です。 ●大きな利益を狙わないこと FX取引を少額で始める場合、まずは利益を安定してあげることを目標にし、損失を最小限に留めることが重要です。 いきなり短期的に大きな利益を狙って高いレバレッジで取引を行うと、大きな損失が発生するリスクも大幅に上昇します。 リスクとリターンは表裏一体であり、リスクの管理がリターンの安定に関係するということを覚えておきましょう。 繰り返しとなりますが、初心者の方は最初から大きな利益を狙うのではなく、少額でコツコツ取引し、安定した利益を出せる取引スタイルを構築するという心がけで行うことが大切です。 ●自分の取引ルールを決める FXで取引ルールを決めることは、成功するための重要な要素の一つです。 実際、FX市場は非常にボラティリティが高く、価格の変動によりトレーダーの感情が揺さぶられることは少なくありません。恐怖や欲望に駆られて感情的に取引を行うと、損失が膨らむ可能性も。 そのため、あらかじめ自分で明確な取引ルールを設定し、感情的な決定を避け、機械的にトレードを行うことが大切です。 取引ルールを決めることは、リスク管理という面においても非常に有効です。 適切なリスク管理ができていない場合、資金が一気に減少するリスクが高まります。しかし、ルールに基づいて、取引ごとのリスクの許容範囲や、損失をどの時点で確定するかを設定することによって、大きな損失を防ぐことができます。 トレードで大事なことは「一つ一つのトレードの勝ち負けに拘らず、1年を通したトレードでしっかりと利益を出すこと」がとても大事です。 ●得意とする通貨ペアを選定する(慣れていない通貨ペアにはトレードしない) FXでは多岐にわたる通貨ペアの取引が可能です。しかし、あまり慣れていない通貨ペアに手を出しすぎると、大きなリスクにつながります。 実際、あまり取引されていないマイナーな通貨ペアは、流動性が乏しく、相場が大きく急変動する可能性が高い傾向に。流動性というのは取引量を意味しており、流動性の高い低いは値幅に影響するため取引通貨ペアを選定する際に非常に重要な要素となります。 なお、世界で流動性が最も高いのが米ドル、その次はユーロとなっています。 日本円も流動性が高い通貨の1つです。まずは先進国の通貨ペアで取引を行い、その通貨ペアの特性や値動きのパターンなどを理解して、練習しながらトレードスタイルを構築するといいでしょう。 通貨ペアによって値幅や値動きの特徴も異なるため、最初少額からドル円やユーロドル等で練習し、自身が得意とする通貨ペアを見つけてみてください。 ●相場が活発に動く時間を把握すること FX市場は、東京だけでなく、ウェリントン(ニュージーランド)やシドニー、ロンドン、ニューヨークなど、世界各国で開かれているため、取引時間の自由度が高く、平日であれば基本的に24時間取引が可能です。 中でも、相場が動きやすいのは、各市場がオープンする時間帯と言われています。 この時間帯あたりで取引を行うと、値幅が大きくなりやすいため、短期トレーダーの場合は利益を出しやすい時間帯と言えるでしょう。 しかし、他の時間帯と比較してボラティリティが大きい分、損失も大きくなりやすいため、前述した注意点を踏まえて慎重に取引することが大切です。