三重の海に広がる“磯焼け”が深刻に 漁村の暮らしを体験、海の課題と向き合う高校生たちに密着
連日猛暑が続いていますが、海も温暖化が深刻です。海藻の森が減る、いわゆる磯焼けが問題になっている三重県熊野市で東京などから来た高校生たちが、海の課題と向き合いました。 【動画】漁村の暮らしを体験、海の課題と向き合う高校生たちに密着 三重県熊野市二木島町。 子どもたちに各地の海で起きている問題について考えてもらいたい。 日本財団が行っている「海と日本プロジェクト」の一環で7月、高校生たちが小さな漁村を訪ねました。 日常では味わうことができない豊かな自然を満喫する一方で、海の課題を肌で感じとる、夏休みの合宿に密着しました。
漁村の暮らしを体験
まだ薄暗い早朝の港に集まったのは、東京の新渡戸文化中学校・高等学校と三重の津高校の生徒たちです。 漁船に乗って港を出発、定置網漁の体験です。 地元の漁師が仕掛けた網を引き揚げます。 今度は、漁師と一緒になって、大きな網を引っ張ります。網には、タイを始め、たくさんの魚が。 「見ていると、めっちゃ楽そうなんですけど、1回やってみるとだいぶきついので、すごさがめっちゃ分かりました。この海にこんなに魚が、集まっているんだなと思いました」(三重 津高校の生徒) 「引っ張ってみたとき網が本当に重くて、漁師さんはすごくぐいっと一気に引けていて、さすがプロだなと思いました」(東京 新渡戸文化中・高の生徒) 港に戻ると、さっそく慣れない手つきで、魚をさばき、朝ごはんです。さて、お味は―― 「皮がやわらかくておいしい。歯ごたえもあってめっちゃおいしいです」(東京 新渡戸文化中・高の生徒) “漁師の朝”をすっかり堪能したようです。
自らの目で確かめる
一見、海洋資源に恵まれているように見えますが、二木島の海は、ここ数年で大きく変わってしまったといいます。 原因の一つが「磯焼け」です。 磯焼けとは、ワカメなどを含む海藻が枯れてなくなってしまうこと。 海藻が多く生える「藻場」をすみかとする貝類や魚などの生態系が失われていくことにも繋がります。 二木島で生まれ育ち、ダイバーとして活動する松本翔汰さんは、海の変化を目の当たりにしてきました。 「本格的に仕事を始めたのが5、6年前。5、6年の間でも全然変わったと思います」(二木島出身 松本翔汰さん) 磯焼けしている現場を子どもたちも自らの目で確かめます。 視界に広がるのは、海藻がなく、岩場がむき出しになった海底でした。 「ガンガゼのいるところと、いないところで植物の数が違って、ガンガゼがいなかったところは、イソギンチャクや海藻が広がっていて、そこをすみかとしている魚がけっこう多く泳いでいた」(三重 津高校の生徒)