話題の「コビトカバ」ってどんな生きもの? タイで生まれた赤ちゃんが世界で大人気に
陸上生活か、水中生活か
2つの種がどれくらい密接に関係しているかも、科学者たちの関心事だった。そこで、科学者たちが2023年に遺伝子を分析したところ、驚くべき事実が判明した。 「研究の結果、2つの種は400万年前に分岐したことがわかりました。私たちの研究以前は、もっと早く分岐したと考えられていました」と米デュケイン大学の遺伝学者ジャン・ジャネッカ氏は話す。 他の動物と比べるなら、コビトカバとカバは、ヒトとチンパンジー、あるいは、ライオンとトラより、約100万~200万年早く分岐したとジャネッカ氏は説明する。アメリカクロクマとヒグマとはほぼ同じ時期だ。 はっきりしたことはわかっていないが、コビトカバとカバが異なる進化の道を歩むにつれて、コビトカバはより小さくなり、陸上の生活に適応したとジャネッカ氏らは考えている。 一方、カバは一生のほとんどを水中で過ごす。そのため、浮力によって体重を支えやすく、より大きくなることができたのかもしれない。 「いろいろ考えると楽しくなってきます」とジャネッカ氏は話している。
文=Jason Bittel/訳=米井香織