鹿児島城西が感じた“8年ぶり”の影響…宿敵撃破で帰還も1回戦敗退「我々は白波の経験しかなかった」
[12.29 選手権1回戦 金沢学院大附高 0-0(PK4-3) 鹿児島城西高 U等々力] 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 8年ぶりに戻ってきた全国高校サッカー選手権での戦いは1回戦で幕を閉じることになった。鹿児島城西高(鹿児島)の新田祐輔監督は「まだ我々は(県予選会場の)白波の経験しかなかった」と独特の雰囲気に呑まれてしまったことを悔やんだ。 鹿児島城西は県予選で夏の高校総体準優勝・神村学園高を破って8年ぶり8回目の出場を決めた。総体も2016年を最後に出場がなく、全国大会に挑むことも久しぶりだった。今季はプレミアリーグWESTに挑戦して大きな経験を積んだものの、選手権の出場が決まってからの日々は難しい過ごし方になっていたという。 「ここに来てからの準備とかロッカーの使い方とか、もうバタバタしていました。まだ我々は白波の経験しかなかった。こういうところに来て、皆さんに囲まれて取材を受けて全国大会に向かうと。11月17日に(予選が)終わって、この間色々な方に来ていただいて取材もいっぱい受けたんですけど、ちょっと浮き足立つ部分もありました。ここに来てからの準備から試合に入るまでもそうだし、普通にこなして、試合をして自分たちのプレーをしてというところが全然経験がなかったなという感じでした」 そうした非日常的な体験は、明暗を分けたPK戦にも影響した。両チームとも3人目まで成功する中で先攻の金沢学院大附高(石川)・4人目のキックをGK藤吉純誠(3年)がセーブ。後攻の鹿児島城西は成功すれば大きなアドバンテージを得られる状況となった。「止めた後が1番危ないと練習から生徒に言っていて。自分たちが止めると次のキッカーは外したイメージがついてしまうから、次蹴る子に対するプレッシャーはすごいある」と新田監督。笛が鳴ってから少し時間を置いて蹴るようにさせたかったが、伝えきれなかった。結果的に鹿児島城西は4人目と5人目が失敗し、敗退が決まった。 金沢学院大附のパスサッカーにも苦戦し、「今日は守備がうまくかからなかったですね。我々は守備のチームなんですけど、もうちょっと迫力あってできたかなと思っています。そこはちょっと難しかった」(新田監督)。準備してきたものを出せたのは「半分くらい」にとどまり、指揮官は「色々含めて“初出場”でした」と唇を噛んだ。 新田監督はこの経験をしたからこそ、「続けないと国立とかは無理なんだろうなというのは非常に思った」と連続出場することの重要性を改めて感じたようだ。「まだ追われる立場じゃない」と現状を見つめる来季はプリンスリーグ九州1部からの再出発。勝ち癖をつけながら、神村学園らとの県予選を勝ち抜いて来冬のリベンジを目指していく。