ショート動画の旗手・関ミナティ「あなたが面白いと思うものばかりを見せてくれるのがショート動画なんです」
――ショート動画じゃないとそれはできない? 関 アルゴリズムとしては可能なんですけど、ショートのほうが同じ時間でたくさんその人のデータを集められます。それと簡単に投稿できるから、動画の数も多くて、それだけその人の好みにマッチする動画を出せる可能性が高くなります。 ――すごい時代が来てたんですね。ショート動画は今後どういった方向に向かっていくんですか? 関 基本的にはほとんどショート動画で見る方向になると思います。なぜかというと、AIによって面白い作品がとんでもない量作れるようになるんですよ。そうなると、自分で検索して、再生して、見続けるかどうか決めるって行為をやらなくなる。 ――選びきれないから、ある程度絞ってほしいと。 関 最近はショート動画というプラットフォームに長い動画も出てきます。TikTokでは60分の動画を出せるんですよ。 ――何のためにですか? 関 長いものを好む人もいるからです。その人に合わせておすすめされたものだから、めちゃめちゃ面白い内容だし。 ――楽しくて、何時間でも見れちゃうってやつですね。 関 TikTokのもとになった中国の抖音(ドウイン)をよく見るんですけど、そこはもうTikTokの2年後、3年後って感じです。長い動画もばんばん出てきますし、レベルがめちゃめちゃ高いんです。そこで成功すると何十億円とか、とんでもない額を稼げちゃうから、才能がむちゃくちゃ集まっています。 今までテレビや映画でスターになって稼ぐみたいな考えを持ってた人が、自分で全部やっちゃえばいいんじゃないって。その流れはTikTokでも間違いなく起こると思いますね。 ――たくさんの人が見てるわけですもんね。 関 広告もどんどん集まってきています。ショート動画のすごさって、ターゲティング能力の高さでもあるんです。おすすめの動画を出すように、広告もピンポイントで流すことができる。ブランド広告みたいなものは今と同じように色んなところに出すでしょうけど、ターゲットに届ける広告はショートに流れるんだろうなと。 日本である商品のシェアを1%あげるためにどれだけ予算がかかるか調べたら、ショート動画はテレビよりもはるかに少ない金額でできたんですね。僕らからすると当たり前というか。今、日本のショート動画の広告費ってすごく安いんですけど、効果があることは実証されているので、これから一気に上がると思っています。 ――ショート動画って、短い動画って理解しかなかったんですけど、それぞれの人に合ったおすすめを紹介する、ソムリエのようなプラットフォームというか。最後に改めてショート動画の魅力をお聞きしたいのですが。 関 例えばテレビだと、こういう番組をやりますっていうのが決まっていて、それを見るか判断するって感じだと思うんですけど、ショート動画は、あなただけのプレイリストが出来上がっていく感じなんですね。 最初は深く考えず、面白くないと思ったら飛ばして、5分ぐらい見てたら、絶対にひとつは興味のあるものが出てきます。別にいいねとか押さなくても、長い時間見たってデータも反映されるので、気付いたら、最近面白いものばかりって状態に絶対になります。 YouTubeショート、TikTok、Instagramのリールとか、仕組みは基本的に一緒です。あなた専属の執事さんが動画を厳選して持ってきてくれるって感じですね。 ――好きなものがとことん見れちゃう。 関 でもこれが良く出来てるのは、好きなものだけ見てても、人って飽きるじゃないですか。なので、ちなみにこんなのどうですかっていうのを、絶妙なタイミングで出してくるんですよ。もう無限に広がっていきます。面白いので、ぜひショート動画を一度は試してほしいですね。 ●関ミナティ(せきみなてぃ) 関暁夫のマネでファミリーマートの商品を紹介する「ロスチャイルドファミリーマート」の投稿が話題に。「関ミナティラップ」、「リスペクトチャレンジ」など、数々のバズり動画を連発。現在は株式会社M2DKを立ち上げ、ショート動画のコンサルなどを手掛ける 株式会社M2DKホームページ 取材・文・撮影/関根弘康