ショート動画の旗手・関ミナティ「あなたが面白いと思うものばかりを見せてくれるのがショート動画なんです」
――でもTikTok自体は当初、ほとんど収益が得られなかったし、生活できないですよね。 関 でもこれだけ反響があるから、全部の力を注いでやり切ったら、絶対何かしら生まれるだろうって感じたんです。Amazonを作ったジェフ・ベゾスさんや、ホリエモンさんとかが、インターネットが出てきた時に、こんなすごいのに何でみんなやらないんだろうと思ったと聞いたことがあって。ショート動画も完全にその状態になってると思ったんです。 ――これでいけそうだなと思ったのはどれぐらい経ってからですか? 関 でも3、4、5本目とやっていって、全く疲弊せず、めっちゃ楽しみながらやれたんで、いけるなって思いました。その流れでラップ動画がバズって、キャラも浸透して、そこからは自動運転で進んでいくみたいな。 ――人気になって、ようやくお金を稼げるように。 関 でもその時はずっと案件を断っていたんですよ。そっちに行かない方が良さそうだなって感覚があって。広告って単純に再生数が減っちゃうんです。広告を断ったことによって、ずっとすごい再生数が出続けて。結果として、この人たち何でこんなにバズってんのって状態になりました。 ――同業者からも注目を集めていくという。 関 その理由をライブ配信で話したんですよ。質問も受け付けて、そこでアドバイスしたところが結果を出したり。そうやってるうちに、これって仕事になるんじゃないかと始まったのが、今やってるショート動画のマーケティングとかコンサルとか運用代行なんです。 ――でも、そういう大事なノウハウって秘密にしたくないですか? 関 いや、ショート動画が盛り上がれば盛り上がるほどいいので。ひとりでも多くの人に成功してほしいって、その時から思ってました。 ――ショート動画マーケティングの会社として、トップランナーになっていったのはなぜだと思いますか? 関 めっちゃシンプルで、みんなショート動画がめちゃくちゃ好きなんです。儲かるからとかで始まってない。楽しいことをしてるだけなんです。なので、寝ずに頑張ろうとか、ここで歯を食いしばってとかいう感覚が1ミリもない。歯を食いしばってる時点でエラーが起きてるというか、それは続けられないと思うんですよ。 ――楽しくやることが結果につながるという。 関 あと自分たちがどうこうってより、依頼する側の魅力ってめっちゃあるんですよ。それに気付いてなかったりするので、その素材をいい感じに、いかに多くの人に見せれるかってやってるのが僕らって感じです。 ■中国ではお金と才能がショート動画に集まっています ――どうして皆さんそこまでショート動画が好きなんですか? 関 動画の空気とか、クリエイターさんが目指してるものとか、そこに投稿されてるものとかが、今までの動画プラットフォームとは全く違うんです。何よりも、おすすめに出てくるものがすごい。 ――どういうことでしょう。 関 例えば料理とワンちゃんと野球が好きで見てたとするじゃないですか。その3つのカテゴリーがたくさん出てくるかというと、そうではなくて。この3つを見たってことは、アラスカの氷山も好きですよねって出てくる。 ――何でそうなるんですか? 関 これとこれに興味を示した人はこういうのも好きだったって、ビッグデータがあるんですよ。それで自分でも気付いてない興味ありそうなものが出てくる。無意識に焼きそばの画面を見ていたら、それがデータとして蓄積されて、焼きそばの作り方とか、おいしい焼きそばの映像が出てきたり。そこがショート動画の1番革命的な部分なんです。