混戦の予感が漂うリーグワンだが…12・21開幕を知る人が果たしてどれだけいるのだろう
【ベテラン記者コラム】ラグビーのリーグワンは12月21日、4季目のシーズンが開幕する。今季は優勝を争うプレーオフトーナメント進出チームが昨季までの4から6に増えたこともあり、混戦の予感が漂う。特にフィジカルでは、各チームに大きな差がなくなってきたように思う。昨季の順位での下位が上位を倒す試合が結構増えるのではないかと、個人的にはみている。倒された数が多いチームが、必然的に優勝から遠ざかることになる。 2連覇を狙うBL東京も、安閑とはしていられない。「挑戦者としてトロフィーを取りにいく。だから連覇という言葉は使わない。チャレンジャーという意識でいた方が力を出せると思う」とは2季連続の主将を〝志願〟したNO・8リーチ・マイケルだ。王座を守るというマインドでは栄冠にたどりつかないという肌感覚が、この言葉となって表れた。 アグレッシブ・アタッキング・ラグビーで初優勝を狙う東京SGのHO堀越康介主将は「どこのチームにもチャンスはあるし、100%を出さないとどこのチームにも勝てないと思っている。昨季より2試合多い(レギュラーシーズンは18試合)分、1試合1試合、目の前の試合に目を向けていかないと」と話す。長いシーズンを戦い抜くためには、選手層を厚くしなければジリ貧になっていくだろう。「誰が試合に出ても、われわれのラグビーができる」と堀越は自信も示す。 話は変わるが、気になるのは、リーグワンが始まるという告知がほとんどされていないことだ。テレビを見ても、「リーグワン開幕!!」というCMが流れているわけでもない。このコラムを読まれている方ならリーグワンがいつ始まるかご存じだろうが、大多数の一般人は知らないだろう。BL東京の荒岡義和社長が「今年もいつの間にか始まってしまう」と嘆いていたが、それももっともなことだろう。「宣伝しないものは存在しないのと同じ」。広告業界などで古くから言われる格言だ。せっかくの面白いシーズンを宝の持ち腐れにしないためにも、運営側のさらなる努力を期待したい。(田中浩)