【解説】自公が国民・維新と“予算レース“ 103万円の壁…123万円引き上げ明記で玉木氏「延長戦に」 “高校無償化”掲げる維新 参院選前に成果を…自民の思惑とは
与党が2025年度予算の成立に向け、国民民主党と日本維新の会との交渉を進めている。国民民主は年収178万円への引き上げを主張し、維新は高校無償化を条件に挙げるが、いずれも財源確保が課題だ。2025年7月の参院選も見据えた各党の駆け引き、自民の思惑とはーー。 【画像】引上げ額が123万円と178万円になった場合の手取り額の差
維新と国民、協力の条件
フジテレビ・西垣壮一郎政治デスクが解説する。 青井実キャスター: 税制大綱で、123万円引き上げ明記ということになりましたが、国民民主の玉木さんはこれに対して「延長戦に入った」という風におっしゃっています。この辺はどうですか? 政治部・西垣壮一郎デスク: 一旦決裂し、暗礁に乗り上げましたが、逆に延長戦がこれから始まるわけですね。 青井キャスター: 国民民主党が、178万円にこだわる理由を見ていきましょう。 木村拓也キャスター: 端的に言うと、手取り額が変わってくるからということです。123万円と今現状のものでは、178万円に引き上げた場合は、年収別に分けてもかなりの違いが出てくるのは大前提ということですね。 青井キャスター: 国民民主党との延長戦も難航が予想される中で、自民党が目指す2025年度予算の成立に協力してくれる野党として、日本維新の会が急浮上してきたわけです。 与党は、維新と高校無償化の議論も19日からスタートさせています。2025年度予算を巡るレースなんですが、レースに例えさせていただくと、少数与党の自民と公明が衆議院で予算を通過させるためには、国民民主と維新、どちらかと組んでいくのではないか。この辺りは、どう見ますか? 西垣政治デスク: みんなが賛成すれば与党はいいのですが、石破さんは予算を成立させることが一番の成果なんですね。その場合には、両方ではなく、国民民主か維新のどちらかの協力が必要というような状況になりそうです。 青井キャスター: そんな中、国民民主が主張する178万円では、税収が足りないのではないかという議論になっています。 木村キャスター: どちらかと手をつなぎたいんだけれども、それぞれの現実的な問題があります。国民民主の178万円の場合は、やはり税収が大幅に足りず、約7.8兆円が地方税も含めて減ってしまう。維新の教育無償化の話では、予算でいうと約6000億円が必要になると言います。 遠藤玲子キャスター: 単純に予算で見ると6000億円で高校無償化の方が財源少なく済むので、自民党としては維新の方がハードルが低いのかなと思いますよね。 西垣政治デスク: 維新の前原さんは、高校無償化を4月から始めることを、予算に賛成する条件に挙げています。これは政策実行が約束できないですし、さらに、維新は「4月からの高校無償化」は、予算に賛成する「必要条件」と言っていて、実際賛成するには、0歳児から2歳児の保育の無償化や、給食無償化なども求めていて、自民党側は「すべては飲むことは出来ない」として、交渉入りを警戒しています。 青井キャスター: 一部を飲むかもしれないし、駆け引きがあるわけですね。