今や、奨学金利用者は半数以上の現実。「奨学金の返済がなければ貯金に回せるのに…」「妊娠出産で収入がなくなり心配…」お金のプロがアドバイス
我が子に奨学金制度を使うか迷った時に考えたいこと
「『自分の子どもに奨学金を使うか? 』という問いに対しては、僕の考え方はYESです。理由としては2つあります。 まず親も長生きの時代になっており、自分の老後資金をしっかり確保する必要があります。子どものために学費を頑張りすぎてお金が減ってしまったら、最後は介護などで子どもに大きな負担をかける可能性も…。 仮に奨学金を借りなくてよかったとしても、進学時には奨学金を借りて、手元の貯金を運用し資産を増やしておいて、最後は親が奨学金を返済するという方法も考えられます。もちろん、その時の利息にもよりますが…。 もう1つの理由は、奨学金制度を子どもへのお金の教育の機会にするという考え方です。 先でも述べたように、大学に行けば安心の世の中ではなく、いかに自ら考えて生きる力をつけるかが重要な現代。だからこそ、奨学金を借りてでも、将来のために学ぶべきかの視点を持たせることはメリットです。 小さなころからお金の管理や使い方、どんなものにお金がかかるかなどを家庭で教育することは本当に大切だと思います。 僕が子どもの金融教育に力を入れているのも、子どもに生き抜く力を高めてほしいというのが大きな理由です。 今は18歳で成人です。大学に行く段階で、大人としての選択ができるような考え方を教えていきたいですね。そして子どもがお金の知識をしっかり得ていれば、奨学金の返済との向きあい方も変わってくるかもしれません。 もちろん、家計に支障がなく、子どもの学費を払うことに問題のないご家庭については、そのままの考えで大丈夫です。 ただし、子どもに学費がどれくらいかかるのかといった情報は、しっかりと子どもに伝えましょう。 奨学金を借りる・借りないの選択は、それぞれの家庭で異なるでしょうが、その時代にあったお金の使い方で考えることが大切です」 我が子の学費に奨学金を利用することは、子どもに対して申し訳ない気持ちを持ってしまいそうでしたが、お金の専門家から見ると「アリ」という側面もあるのですね。参考になりました! (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部) ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
近藤賢一さん
PROFILE) ファイナンシャルプランナー、子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー事務所RAC代表。関わるすべての子育て世帯が、知らないことで損をしないために難しいお金の話をわかりやすくワクワク伝えることがモットー。年間100世帯以上の子育て世帯の家計相談や資産運用、住宅購入など、ありとあらゆるお金の相談に対応。毎日配信される公式LINEは「無料で気軽にお金や制度、経済の情報を得ることができる!」と大好評。大人だけでなく子どもの金銭教育にも力を入れ、お金の大切さやお金の稼ぎ方を伝えるオンラインスクールも開講中。
たまひよ ONLINE編集部