カルダノが8%下落、トレーダーはビットコイン上昇のきっかけを待ち望む
2025年1月9日、ビットコイン(BTC)の弱さが止まる兆しを見せず、アルトコインのラリーの可能性が一時的に失われたため、カルダノ(ADA)が主要暗号資産(仮想通貨)の中で損失を主導した。 8日には、新たな経済データが米国債利回りの急騰を招き、株式の下落につながったため、ビットコインは9万3000ドル近くまで下落した。アメリカのサービスプロバイダーに関連する最新の供給管理協会(ISM)の非製造業総合指数は予想よりも強く、投入価格指数は2023年初頭以来の高値を付けた。 これにより、主要なコインは急落した。トレーダーが週初めの小幅な上昇で利益を確定したため、トークン価格はここ1週間横ばいとなっている。ADA、ソラナ(SOL)、バイナンスコイン(BNB)、イーサリアム(ETH)は6日から10%近く下落している。 時価総額の大きなトークンを追跡するCoinDesk 20指数(CD20)は、過去24時間で2.87%下落しており、水曜日の7%急落に続く追加の下落となった。 一方、幅広い銘柄を対象とするS&P 500のオプションは、1年前よりも下方リスクが高まっていることを反映している。これは、トレーダーが債券などのより安全な投資を好むため、ビットコインを含むリスク資産の上昇の可能性をさらに低下させるかもしれない。 株式の守勢のポジショニングは、おそらく、次期大統領のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の1月20日の就任式が「ニュースで売る」イベントになるのではないかという懸念から来ているとCoinDeskのアナリスト、オムカー・ゴッドボール(Omkar Godbole)氏は指摘している。 トランプ次期大統領の企業寄りの経済改革への期待から、過去2カ月間、金融市場全体でリスクテイクが活発化しており、利益確定の売りも排除できない。 1月20日の大統領就任式の後は、数カ月の間に暗号資産の規制や戦略的なビットコインの準備金など、影響を与える施策が行われると広く予想されており、次の上昇の足がかりになるだろう。 これは、シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)の見解と一致しており、トレーダーはポジショニングをさらに進める前に、10日に発表されるアメリカの新たな経済データに注目すべきだと述べている。 「今週の連邦公開市場委員会(FOMC)と非農業部門雇用者数(NFP)の発表に注目が集まっている。これらはビットコインの価格動向にさらなる影響を与えると予想されている」とQCPは9日にテレグラムのブロードキャストで述べた。「市場の期待が高まる中、ビットコインの下げは単なる一時的な調整であり、トランプ大統領就任式が楽観論を煽り、強気相場への準備段階となるだろう」。 NFPは、アメリカの雇用創出あるいは雇用喪失に関する洞察を提供する月次報告であり、農業関連の雇用は除外されている。これは、経済の健全性を反映したもので、NFPの数値が高い場合は、経済が堅調であることを示し、金利引き上げの可能性を示唆する。これは、ビットコインなどのリスク資産にとっては不利な傾向となる。NFPの数値が低い場合は、金利が低水準にとどまるか、または利下げされることを示唆し、リスク資産にとっては有利となる。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Cardano’s ADA Slumps 8% as Traders Await Trump Catalyst for Bitcoin Gains
CoinDesk Japan 編集部