「ふるさと納税がお得!」と聞いて、専業主婦の妻が本人名義で5万円の「ふるさと納税」をしてしまった! これってただの「割高通販」になるって本当?
「ふるさと納税がお得!」という言葉を一度は耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。ふるさと納税は「2000円の負担で豪華なお肉や魚介類、お米などがもらえるお得な制度」と紹介されることがあります。この説明自体に間違いはありません。 しかし、ふるさと納税は誰にとってもお得な制度ということではなく、収入がない人が寄附をすると、お得にならずに結果的に「割高な通販」となってしまうのです。本記事では、専業主婦(夫)がふるさと納税を利用する際の注意点について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
ふるさと納税がお得な理由は税金が控除されるから
ふるさと納税がお得といわれる理由は、対象の自治体に寄附をすることで、特産品やサービス券などをもらいつつ、寄附金額のうち2000円を超える部分について所得税や住民税から控除される仕組みがあるからです。 例えば、三重県松阪市に3万円の寄附をすると松阪牛のすき焼き肉400グラムが、新潟県南魚沼市に2万円寄附をすると南魚沼産コシヒカリ5キログラムがそれぞれ返礼品として届きます。合計5万円寄附をしても、所得税と住民税合わせて最大4万8000円が翌年に控除されるため、実質2000円の負担でこれらの返礼品を手にできるのです。 しかし、専業主婦(夫)がふるさと納税をした場合はどうでしょうか。そもそも所得税や住民税を払っていないため、税金が控除されることはありません。つまり、5万円の寄附をした場合、税金の控除がないため5万円全額が自己負担となってしまいます。 ふるさと納税は税金の控除がある場合にお得になる、ということをしっかり理解しておく必要があるのです。
ふるさと納税の返礼品は寄附金額の3割以内
ふるさと納税の返礼品についても注意が必要です。ふるさと納税で受け取れる返礼品の市場価格は、寄附金額の3割以内と定められています。 つまり、今回のケースのように5万円のふるさと納税を行った場合、受け取れる返礼品の市場価格は最大でも1万5000円相当です。 5万円分寄附をして税金の控除を受け、実質負担が2000円で済む場合は、2000円で最大1万5000円相当の返礼品を得られます。一方、控除が受けられない場合、5万円分を自己負担したとしても1万5000円の返礼品しか受け取れない「割高な通販」になってしまうのです。