海外メディアが「熱狂4回転時代で羽生とチャンが五輪までV争い」と報道
フィギュアスケートのグランプリシリーズの第2戦、スケート・カナダの最終日が29日(日本時間30日)、カナダのミシサガで行われ、男子フリースタイルでは、ショートプログラムで4位だった羽生結弦(21、ANA)が183.41をマークしてフリーでは1位となり、合計263.06で2位と表彰台を確保した。優勝は、SPで1位だった地元カナダのパトリック・チャン(25、カナダ)で合計266.95だった。 この結果を受け、カナダのトロント・サン紙は、優勝したパトリック・チャンと羽生のライバル関係をクローズアップして取り上げた。 同記事の見出しは、「チャンはスケート・カナダで羽生に勝った」というもの。その冒頭で「1位2位、または2位1位―。これから平昌五輪にかけて男子フィギュアスケートは、パトリック・チャンと羽生結弦の間で(トップを)争う運命となるだろう」と、2年後の韓国・平昌五輪でも、羽生とチャンが金メダル争いをするという見解を示し、「(29日の)土曜日に関しては、ポディウムの一番上に立ったのは、カナダ人であり3度の世界王者だった。そしてトロントで練習をしている日本から来たオリンピックの王者は、銀メダルにとどまった」と続けた。 同記事では、「スポーツ界のスーパースターである二人は、ともに今シーズン最初のグランプリで最大のプレッシャーを自身にかけた。チャンは、初めての4回転サルコーで転倒したが、4回転トゥループと3回転トゥループのコンビネーションでは華麗な着地を決めた。羽生は4回転ループジャンプで失敗したが、4回転トゥループと(4回転サルコーで)うまくまとめた」と、フリースタイルでの二人の競技内容を説明した上で、地元であり、優勝したチャンのコメントの紹介した。 「(優勝して)とても嬉しい。僕の目標は4回転サルコーで最低でも回転することだった。でも、途中で非常に疲れてきた。プログラムの最後の方では足が重くなっていた。どういうわけか、余計なプレッシャーとアドレナリンでさらに疲れた。プログラムが進むにつれて僕が疲れてきているのは見ていてわかったと思う」 羽生も、4本のうち2本を失敗した4回転ジャンプをプログラムに入れることで、スケーターにとってどれほどプレッシャーがかかり、疲労度が増すかを伝えた。 しかし「でも何よりも大切なことは、素晴らしいシーズンのスタートとなったということ。優勝する価値が十分にあるスケートができた」というチャンの満足感溢れるコメントも添えていた。 同記事では、「ソチ五輪でもチャンと羽生は一騎打ちを演じた」と、羽生が金、チャンが銀メダルを獲得した2014年のソチ五輪を振り返り、「チャンが16ヶ月の休養から昨年復帰したことで、二人は再びライバルとなり、ともに2018年平昌五輪で金メダルを目指している」と、二人のライバル関係が、チャンの復帰後再び深まっていることについて触れた。