フィリピンに飛んだ親父が人身売買のブローカーに!? 豪邸には十数名の現地女性たちがいて…「ぼくは『幸せ配達人』なんだよね」
怪しすぎる仕事の正体とは
親父と豪邸に入るや否や、なんだか騒々しいなと即座に感じました。女性の声がやけに響いてくるんですよ。それで邸宅内を歩きまわっていると、とある部屋で、十数名のフィリピン女性たちが音楽にあわせてダンスをしてるんです。 最初は、ダンス教室でもやってんのかなと思って、親父に聞いたら「タレントになれるように調教しているんだ」って。どういうこと? なんで親父がフィリピンで女性タレントを養成してんだろうって。たしかに、大分県では売れない演歌歌手のマネージャーをやっていたけど、冴えない「社長さん」でしかなかった。それで突っ込んできいてみたら、 「この子たちを日本で売るんだよ」っていう。 いや、それって人身売買じゃねぇか!って(笑)。 血を引いた息子のぼくが言うのも変だけど、親父にはもともと倫理観がすこしゆるいところがあったんで心配してたけれど、とうとう犯罪者にまで落ちぶれたか……。 そんな女性たちを人身売買して、こんな豪邸に住んでどうすんだよって憤りながら親父に言うと、「違う、違う。ぼくはね、いわゆるプロモーター業をやってるんだよ。会社の名前は、シカットプロモーション。ここで彼女たちにダンスレッスンをしたあと、日本にあるフィリピンパブで働いてもらうのよ」という。なんだそれは。 要するに、ここで訓練を受けた女性たちには就労ビザが発行され、日本へ行ける。そして、半年間フィリピンパブで働きながら大金を稼ぎ、こっちに帰ってくる。で、稼いだ大金の半額は親父のものになるという仕組み。実は、日本でそういう仕事をするのは法律ギリギリだったんです。 外国の人が日本で働こうと思うと、特定の職業にしか就けない法律があるでしょ? そこは当時のデタラメなところで、グレーゾーンの仕事として認められているという話でした。 女性は本当に「日本でタレントになるんだ」という夢を持ちながらここでレッスンを受ける。日本に着いてから、ダンサーではなく、いわゆる水商売というかキャバクラみたいなところで働くことを初めて知る。だから、騙してるんです、女性たちを。