地元で「恥ずかしいところは見せられない」 旭川出身の27歳・長谷川大晃が好発進
<ANAオープン 初日◇12日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72> やっぱりイケメンな片岡尚之【写真】 北海道出身の27歳が善戦。長谷川大晃(はせがわ・たいき)がノーボギー・5バーディの好プレーで7位タイの好発進を決めた。 旭川市出身で実家がゴルフ練習場を経営していたことからゴルフは身近にあった。大学は宮城県の東北福祉大に進み、同期には片岡尚之らがいる。昨年のQT(予選会)にファイナルまで勝ち進み、ツアーメンバー入り。今季は国内男子下部のABEMAツアーが主戦場で、レギュラーツアーは6月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」以来、2戦目となる。 実家から輪厚コースまでは、車で1時間半程度と馴染みの場所。ジュニアの頃や、2019年にはアマチュアとして今大会に出場もしておりコースは熟知している。初日を振り返り、「風が無いという予報だったので、初日に稼いでおくのが目標でした。前半でいい流れに乗って貯金を作れて、後半はバーディチャンスは少なかったものの集中力を切らさずにプレーができた」。前半は3番のショートから3連続バーディを決めると、8番でも1つ伸ばした。後半はバーディが1つに留まるも、スコアを落とすことなく18ホールを駆け抜けた。 記者からの質問に、自然体で受け答えるその姿にどこか和やかムードが漂う。久しぶりのレギュラーツアーで、しかも地元ということで「恥ずかしいところは見せられない」と笑顔を見せた。「6~7メートルのバーディパットが入ってくれた。ちゃんと打てて、タッチとラインが合っている状態」とパットが初日の好発進を後押しした。ショットに関しては「あまり良くはないので、林にも行ったりしましたが、前が空いているので助かっている感じはありました」と話す。 強みは300ヤードを超えるドライバー。18番など多くの選手がフェアウェイウッドを握る中、迷わずドライバーを手に取る。「刻んだ方が曲がるんですよね。だったら自信を持って打てるクラブを振った方がいい」とフェアウェイが狭い輪厚コースであるが、“基本はドライバー”で試合を組み立てていく。 レギュラーツアーに出るのはアマチュア時代を含めこれで5試合目。昨年に関してはレギュラーツアーには出場しておらず「今週はいつもより緊張しました」といつも以上にプレッシャーを感じながらのスタートとなった。それは好成績を残したいという思いはもちろん家族の存在も大きい。 長谷川は一児のパパであり家族を養わなくてはならない大黒柱。昨年、第一子(長女)が生まれたことで「一打の重みをもっと感じるようになりました」とゴルフの向き合い方が変わった。ツアーでの賞金獲得は未だなく、今大会で“初給料”を獲得するチャンスは大いにある。また、生まれて10カ月ということでお父さんがプロゴルファーであることは認識していないようだが、「ABEMAツアーの中継を真剣に見ているようで」と目尻を下げながら話すその姿はまさに父親だ。 そして今大会は50回の節目を迎えるが北海道出身の勝者は未だに出ていない。「セッティングもラフは長いし、北海道出身の選手も苦戦するんじゃないかという感じはあります」。地の利を活かせるのではと考えてしまうが、地元の長谷川も警戒感を示すほど、簡単にプレーさせてくれないのが輪厚コースだ。2日目は午後組でのスタート。「午後は風が強いという予報なので、我慢できるようにしつつ、2つ3つ潜ったら最高かなという感じです」と道筋を立てた。(文・齊藤啓介)