「物流の2024年問題」に直面した鴻池運輸が、ドライバーの仕事量を画期的に減らした方法とは?【会社のギモン】
【会社のギモン】鴻池運輸 鴻池運輸は大阪を拠点とする大手物流会社。昨年は「物流の2024年問題」(残業規制)のドライバー不足対策として、「ダブル連結トラック」をいち早く活用している。全長25メートルの2台分のコンテナを10トントラックにつなぎ、2台分の荷物を1人のドライバーで輸送できるというもの。同時に大量の荷物を輸送できるので、CO2削減にも有効というすぐれものだ。 LUUPに聞いた…街で見かける電動キックボードの危険運転者、どう対策していますか? ところで、大阪の中堅ゼネコン「鴻池組」とはどういった関係があるのか? 「鴻池運輸は1880(明治13)年、『鴻池組』の名称のもと労務供給業・運輸業を開始し、この年を当社の創業年と定めています。1945年の終戦前に制定された法令で『1社1業種』となり、鴻池組から運輸部門が分離・独立して、鴻池運輸が設立されました」(鴻池運輸担当者) ただの総合物流企業ではなく、医療や航空などのサービス業界向けの請け負いなど幅広く事業を展開している。 ちなみに、創業者は鴻池忠治郎で、鴻池財閥(鴻池善右衛門家)とは直接の関係はない。 ■日帰りで家族の元に さて、話は2024年問題に戻るが、同社はダブル連結トラックの導入はもちろん、倉庫でのロボットを使った荷積み、大阪と東京の中間である静岡県島田市にスイッチセンター(配送中継基地)を開設し、ドライバーがそこで交代して日帰りで家族の元に帰られるようにしている。また、日本の物流の90%がトラックに頼っており、これがドライバーの人材不足や長時間労働の温床となっていることから、モーダルシフトも推進している。 モーダルシフトとは、従来はトラックが運んでいた荷物を環境負荷の少ない鉄道や船舶などを利用して運ぶこと。これもドライバーの負担軽減につながっているわけだ。さすがは誕生から140年を超える鴻池運輸。創業当時から従業員を大事にしてきただけのことはある。