福山市明王台の主婦殺人、初公判は2025年1月30日 広島地裁 弁護側は無罪主張 自白の供述調書は採用されず
2001年2月、広島県福山市明王台の主婦=当時(35)=が自宅で刺殺された事件で、広島地裁は29日、殺人と住居侵入の罪に問われた無職の被告(70)=同市=の裁判員裁判の初公判を来年1月30日に開くと決めた。5回の公判を予定し、判決言い渡しは2月12日に指定した。 【写真】さら地になった事件現場の福山市明王台の民家跡(2021年撮影) 地裁でこの日あった24回目の公判前整理手続きで期日が決まった。地裁によると、1月30、31日の公判に続いて2月5日に被告人質問をし、6日に結審する見通し。 争点は犯人性。弁護側は、現場から採取された血痕のDNA型は「被告のものではない」などとして無罪を主張する方針。弁護人によると、被告も事件への関与を否定している。 被告は逮捕当初も容疑を否認。弁護側は、その後の取り調べで自白を強要されたと主張していた。関係者によると、被告が自白した捜査段階の供述調書について、地裁は昨年11月、「任意性がない」として検察側の証拠請求を却下したという。 起訴状などによると、被告は01年2月6日午前11時半ごろから午後1時ごろまでの間、主婦方に玄関から侵入。果物ナイフで腹を刺すなどして主婦を殺害した疑い。 広島県警は発生から約20年後の21年10月、被告を殺人容疑で逮捕。広島地検が翌11月に起訴し、22年3月に公判前整理手続きが始まった。
中国新聞社