【意外に知らない日本メーカーの動き】広州モーターショーで登場した注目車種は? 日本勢も日産N7はじめ新型車を続々公開
第22回となる広州モーターショー
2024年11月15日、広東省広州市にて第22回となる広州モーターショー(広州国際汽車展覧会)が開幕した。 【写真】広州モーターショー(広州国際汽車展覧会)2024の様子をみる (18枚) 広東省は中国の国営メーカーのひとつである『広州汽車』や、深セン市に本拠地を置く世界トップのEVメーカー『BYD』のお膝元ということもあり、毎年4月の上海・北京(それぞれ交互で開催)モーターショーと同じく注目を集める中国のモーターショーである。 今年は世界発表の新型車約80台が公開され、来場者は85万人を超えた。 自動車メーカーや部品サプライヤー、物流企業、自動車メディアなど200以上の企業が出展リストに名を連ね、その中には日本企業も含まれる。 日本の自動車ブランドとして今回姿を見せたのがトヨタ、レクサス、日産、インフィニティ、ホンダ、マツダだが、これ以外にも広汽トヨタエンジン(GTE)やユタカ技研、パナソニックといった日系企業も部品サプライヤーゾーンに出展した。
トヨタは話題の『bZ3X』の続報を発表!
トヨタと広州汽車との合弁会社『広汽トヨタ』は、2024年4月の北京モーターショー2024で発表した中国専売BEV『bZ3X』の続報を公開した。 bZ3Xはその前年の上海モーターショー2023で発表された『bZ FlexSpace Concept』の市販モデルで、ファミリーユースをターゲットにした保守的な純電動SUVとなる。 ボディサイズは全長4690×全幅1860×全高1650mm、ホイールベース2850mmと、同じトヨタの『RAV4』よりもわずかにサイズは大きく、全体的に角ばったシルエットが存在感を演出している。 bZ3Xは2025年初頭に発売が始まり、価格帯は10~15万元(約214.9~322.3万円)の間となる。航続距離600km前後のBEVがこの価格で買えるというのは日本の感覚からすればかなり挑戦的だが、中国の地場メーカーが低価格BEVで急速にシェアを奪っている昨今の状況を鑑みると、これほどまでに安くしないと戦えないという事情が見えてくる。 また、内外装のデザインはそこまで奇をてらったものではないものの、フロントガラス上部にはLiDARユニットを1基搭載しており、中国の自動運転ベンチャー『momenta』と共同で開発した『L2++』レベルの運転支援機能に対応する。 『L2++』の具体的な機能は、地下駐車場における自動召喚機能や、目的地を設定することで高速道路や一般道路にて発進から停止、右左折、車線変更、合流レーンでの流出入を自動で行なう『NOA(Navigation on Autopilot)』が一般的に含まれる。bZ3XもNOA機能に対応するということで、これまでは中国ブランドぐらいでしか対応していなかった高度な運転支援機能で新しいモノ好きな中国消費者へアピールしていく形だ。 これ以外に、広汽トヨタは2023年の広州モーターショーでお披露目したBEVセダンコンセプトの名前を『bZ7』と改め、2025年中の市販モデル発表に向けて準備中であるとも明らかにした。中国では近年SUVに押されつつも、依然としてセダン車種が選ばれる傾向にある。 2023年にフルモデルチェンジを迎えたカムリやアコードといった最新日系セダンも北京の街中で見る機会は多く、トヨタとしてもカムリサイズのBEVを一刻も早く市場へ投入し、ミドルセダン級BEV市場におけるプレゼンスを発揮していきたいことだろう。 トヨタのプレミアムブランド『レクサス』は、中国で展開される各国の輸入車ブランドの中でもトップクラスの人気を誇る。だが、市場で求められるほどには電動化需要に対応できてないこともあり、主力であるミドルセダン『ES』に健全な販売状況の大部分を頼っている状況が続いている。 今回の広州モーターショーでは、フラッグシップSUV『LX』からハイブリッドモデル『LX 700h』の中国導入、そして『ES』の内外装刷新をともなうアップデートが目玉となった。