成人男性の1/3が"ED有病者"のなかOTC検討で注目! 最強の勃起薬「シアリス」の実力
ED治療での処方は保険適用外のため、相場は1錠につき5㎎が380円、10㎎が1500~1800円、20㎎が1700~2100円とやや割高だが、その分メリットも多い。 ドラッグストアで気軽に買えるようになれば、「EDで悩んでいるけど、病院に行くのは恥ずかしい」という人の助け舟になってくれるだろう。 ■OTC化はいばらの道? 今回のスイッチOTC医薬品(処方薬から市販薬に切り替わった薬)検討のニュースは「出産率低下の一途をたどる昨今、その原因がEDによる男性不妊の例もある。この発表は国を挙げての少子化対策の一環なのかもしれません」(伊勢呂氏)とのこと。 だが、OTC化に向けて大きな課題もある。 「クリニックでも問診のみと比較的手軽に処方されている現状を考えると、個人的にはOTC化しても問題ないかと思います。ただし、心臓や脳に持病がある方がシアリスを服用すると危険という一面もあります」(伊勢呂氏) 浜松町第一クリニック院長・竹越昭彦(たけこし・あきひこ)氏も同様の理由から、OTC化は「あくまで検討だけで、実現は難しいだろう」と予想する。 「一番の問題は併用禁忌(一緒に服用することがNGとされる薬剤の組み合わせ)。例えば、ニトログリセリンという狭心症や心筋梗塞などの治療薬と一緒にシアリスを服用すると血圧が下がりすぎて命に関わる。 ニトログリセリンを服用している人はそれなりにいるのに、ドラッグストアの薬剤師さんの説明だけで、自分がなんの薬を飲んでいるかもわからないような人に、簡単に売れるようになるとは思えません。個人的にも危ないからやめたほうがいいと考えます」 実は同様の理由でED治療薬のOTC化が実現しなかったケースが過去にあるという。 「昨年末にバイアグラがOTC化するという話が水面下であり、製薬会社もいろいろと動いていたみたいですが、結局、併用禁忌の懸念から頓挫しています。 もし死亡者が出たら認可を出した厚労省の責任問題になりかねない。そういった理由から、今回もなかなかゴーサインは出せないでしょうね」(竹越氏) 厚労省がOTC化に踏み切れない理由は、もうひとつあるという。