忘年会で「二日酔い」になったときに摂りたい「朝食」の意外な顔ぶれ
そもそも二日酔いとはなんだ?
宴会は楽しいけれど、飲み過ぎると次の日の朝は地獄に。二日酔いがなければ酒がもっと飲めるのに、と悔しい思いをする酒豪は多いだろう。胃を洗いたくなるようなあの苦しさ、なぜ二日酔いになるのか。済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生に話を聞いた。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言 「二日酔いの原因は、アルコールの分解過程で生じる「アセトアルデヒド」が発生するんですが、これが有毒なんです。すぐ体の外に排せつすればいいんですが、排せつのための体内の水分が足りなくて蓄積し、二日酔いを引き起こします」(谷口) アルコールの利尿作用は、酒を飲む人なら体感しているだろう。飲むとトイレが近くなる。そうすると体内の水分がどんどん排せつされてします。水分だけではなく、カリウムやナトリウムなどの電解質も排せつされ、体内は水分&電解質不足に。 「こうして起こる電解質の不足も、アセトアルデヒドの排出を遅れさせ、二日酔いの症状を悪化させてしまいます」 飲むとお腹を壊す人も多い。アルコールの摂り過ぎや過食により腸粘膜が刺激を受け、腸の水分吸収機能が低下するためだ。 「お腹を壊すとアルコールやアセトアルデヒドが早く排出されると誤解している人もいるようですが、アルコールもアセトアルデヒドも、便からはほとんど排出されません。飲酒後の下痢は脱水につながり、余計にアセトアルデヒドの分解・排出を滞らせるだけです」 アルコールもアセトアルデヒドも、おしっこでしか排せつされないのだ。
二日酔い対策は大量の水分と安静
二日酔いを防ぐには、飲酒中にとにかく水分をとることとつまみを食べること。そして二日酔いになってしまったら、水分を取りつつ、じっとしていること。 「アセトアルデヒドの分解は肝臓で行います。アセトアルデヒドやアルコールを分解中の肝臓にはエネルギーが必要なので、肝臓に血流が集めないといけません」 アルコールは、肝臓の中に存在するアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素により、有害なアセトアルデヒドに分解される。さらに同じ酵素がアセトアルデヒドを酢酸に変え、酢酸は体内で最終的にエネルギーに利用されるか、水と二酸化炭素に分解されて無害な形で排出されるのだそうだ。 「酒の飲み過ぎで肝機能が低下したり、肝炎や脂肪肝、肝硬変になる人がいますよね?酢酸に分解するプロセスで活性酸素種(ROS)という強力な酸化物質が発生し、肝細胞に大きな負担をかけることがわかっています。深酒はやめて、酒量はほどほどにしないとご自身が苦しむことになります」 また二日酔いだからと汗をかこうとサウナに入ったり、運動することは逆効果。 「肝臓ではなく筋肉に血流が回るので、それだけ分解が遅れます。またよく誤解されていますが、汗からアルコールが抜けることはありません。アルコールは肝臓で分解し、尿として出すのが体の仕組みです」 二日酔いの時は、とにかくおとなしくしているのが正解だ。