「東大の値上げ」学生達が首を傾げる“問題の数々”。値上げの使い道など、疑問を抱く学生は多い
■文系院生が増えないのが課題だが… 文系の修士課程について、新たな支援策を検討しているかどうかを東京大学に質問したところ、回答は否定的なものだった。 「学問分野ごとに授業料や学生の処遇を変えるシステムは、学部・研究科それぞれの教育研究の質に望ましくない格差を生みだしたり、学問分野間の分断を招いて総合大学としての一体性が失われたりする危険性もあり、『学部や研究科をまたいだ教育』の実現にも大きな妨げになるなど、その影響については極めて慎重に考えなければならないものと認識しています」
文系の大学院生が増えないことが課題になっている中で、今回の値上げ決定は、修士課程進学者のさらなる減少を引き起こすのではないだろうか。
田中 圭太郎 :ジャーナリスト・ライター