裸で鑑賞デーも!フランスの美術館で「ヌーディスト展」が開催中
フランス南部の都市マルセイユにある美術館が、「裸で暮らす」ことに焦点を当てた展覧会を開催中だ。期間中には、裸で作品鑑賞出来るイベントも行われる。 フランスは世界で最もヌーディストに寛容な国だ。アウトドアと旅行の情報サイト、アウトフォリアの記事によると、フランスには397の公共のヌーディスト・ビーチと212のヌーディスト・キャンプ場があるという。ちなみに2位はアメリカ、3位はスペイン。 そんなフランス南部のマルセイユにある美術館、ヨーロッパ・地中海文明博物館(MUCEM)では、「裸で暮らす」ことに焦点を当てた展覧会「Naturist Paradises」が開催中だ(12月9日まで)。1920年代、フランス全土に自然の中で裸で暮らすことを目的としたナチュリストのキャンプ場が出現し、リビエラ沖に浮かぶ島イル・デュ・ルヴァンでは、ナチュリスト・クラブであるエリオポリスが設立された。そこではホリスティックでベジタリアンなライフスタイルのための隔離されたコミュニティが作られ、1960年代には絶頂期を迎えた。展覧会では、フランスのコミュニティのアーカイブや、個人および公的コレクションから集めた絵画、写真、映画、雑誌、彫刻、オブジェなど600点以上で、1920年代からのナチュリスト・コミュニティの歴史と、今日のナチュリズムの生活と実践を紹介している。 会場には、大きな太陽の形をしたカーテンがかけられている。これは、ヌーディストたちをフランスに惹きつけたのは明るい太陽だったことを表しているとMUCEMのキュレーター、アメリー・ラヴァンが説明した。 ラヴァンは展覧会について、「ナチュリズムの核心は、自然との繋がりを取り戻し、ありのままの自分を再発見することです。この展覧会を通して、ヌードとセクシュアリティの間にある体系的な方程式に疑問を投げかけることができればと思います」と話した。そして、「展示物の中には多くのヌードがありますが、セクシュアリティに関するものでは全くありません」と強調した。 ラヴァンたちは、観客に見るだけではなく参加も促す。期間中の8月20日(火)、9月3日(火)のいずれも17時から、裸で展覧会場に入場出来るスペシャルイベントを開催する。 展覧会の説明文には、「ヌーディズムは単なる60年代の流行ではない」とし、今、ヌーディズムの新しいブームが来ていると説明する。その理由は、「健康的でベジタリアンな食生活の探求や、野外での自然療法、瞑想、ヨガの実践者の増加 」にあるという。
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