「強者連合」セブン&アイとユニクロ 提携で両社は何を得るのか
国内でオムニチャネルの取り組みが、最も進んでいるのが1000億円以上投資し、今年の10月から本格的に指導しようとしているセブン&アイ・ホールディングスだ。ファーストリテイリングとしては、従来の取り組みを加速させるためには、多額の投資を行い構築されたセブン&アイのオムニチャネルのプラットフォームを利用したいと考えた。それが今回の提携のファーストリテイリング側の背景ではないかと藤元さんは解説する。
セブン&アイの「オムニチャネル」とは
セブン&アイ・ホールディングスの「オムニチャネル」とは、全国に1万7000店以上あるセブン-イレブンの店舗を中核に、イトーヨーカドー、ヨークベニマルなどのスーパー、百貨店のそごう・西武、ファミレスの「デニーズ」、ロフト、タワーレコード、セブン銀行など100社以上ある業種も多様なグループ企業の商品・サービスを一元的に管理し、顧客のニーズに応える施策だ。 セブン&アイは、今年の10月からオムニチャネルの統合サイトを本格稼働する予定だ。統合サイトでセブン&アイのグループ各社の商品を注文でき、セブン-イレブンや自宅で受け取れるようになる。同社は、オムニチャネルを「成長の第2ステージ」の中核として、2013年10月にオムニチャネル推進プロジェクトを設置。2013年12月には、通販大手の「ニッセン」を買収した。サイトオープンに合わせて商品開発を進めているという。
セブン側の狙いとは
今回の業務提携のセブン&アイ側のメリットは何なのだろうか。藤元さんは、両社はまだ否定しているものの、イトーヨーカドーの衣料品コーナーにユニクロの製品を入れるためではないかと推測している。「セブンプレミアム」などの同社のプライベートブランド(PB)は、現在、食品が中心だ。そこに、ユニクロの商品をPBとして入れることで、苦戦している衣料品コーナーのテコ入れになる上に、セブン&アイは、衣食住のうち、「食」と「衣」をPBで押さえることができる。そのような戦略をセブン&アイ側では検討している可能性があると藤元さんは説明する。