ダノンデサイル、自然体で大一番へ…安田師「経験したことのないタフなレースになると思います」【有馬記念追い切り】
◇18日 有馬記念追い切り(栗東トレセン) 穏やかに逆襲の刃を研ぎ澄ました。今年のダービー馬ダノンデサイルは、安田師が騎乗して栗東CWで追われ、6F83秒2―37秒6―11秒6。終始リラックスした馬なりながら、雄大なフットワークでウッドチップを蹴り上げ、自然体で大一番への準備を着実に進めた。 日本ダービーや菊花賞の中間に見せた栗東CWで6F80秒を切るハードな調整は心肺機能を高める「動」の調教。その点、今回は精神面の充実に重きを置いた「静」の調教を積んできた。安田師は「気負っているわけではなく、1回使った闘争心も完全にオフにならずにこれましたので、強い負荷よりも精神面の方を重要視してきました」と中間の調整を説明する。 その上で「先週の時点でレースが近いことを察していると感じましたので、オーバーワークにならないことを前提に、ストレスを与えないように好きに走らせて、最後はすかっとしていいよ、と開放してあげたぐらいです」と最終追い切りの意図と感触を伝えた。 今回は初の古馬相手で3世代ダービー馬を含むGⅠ馬10頭が集結する。師は「経験したことのないタフなレースになると思います。ただ、対応できるかなという準備はしてきました」と説明しつつ「気負わず、集中力をもって無事にゲートインすることだけを考えたい」と100%の力を発揮させることだけを考えている。 同一年に日本ダービーと有馬記念を制すれば、1984年シンボリルドルフ、86年ダイナガリバー、94年ナリタブライアン、2011年オルフェーヴル以来史上4頭目となる。ただ、あくまでも追求するのは記録よりもダノンデサイル本来の走りだ。菊花賞はイレギュラーな展開で6着に敗れたダービー馬が、暮れのグランプリで逆襲の一歩を踏み出す。
中日スポーツ