【高校サッカー選手権】一泡吹かせようと挑んでくる翔凜に手を焼くも優勝候補の一角・市船が準決勝へ進出!
10月27日、第103回全国高校サッカー選手権千葉予選の準々決勝が行われ、市立船橋と翔凜が対戦した。 【フォトギャラリー】市立船橋 vs翔凛 終わってみれば、優勝候補の一角である市船が2-1の勝利を収めたが、一泡吹かせようと翔凜が激しく抵抗。タイムアップまで予断の許さない展開になっていたといってもいいかもしれない。 今年度のチームの実質的な指揮を、市船の波多秀吾監督より託されている中村健太コーチは「慢心なのか、奢りなのか。走る、戦う、攻守の切り替えといった自分たちのベースとなる部分を疎かにしてしまい、反省点の多い試合になりました」と、渋い表情を浮かべた。 開始早々から市船がCKやロングスローといったリスタートを糸口に翔凜ゴールを攻め立てた。10分、MF23高山大世(1年)の精度の高いロングフィードをFW9伊丹俊元(3年)がヘッドで合わせ、先制。ここまでの試合運びは“さすが”の一言だった。 ところが、そのわずか1分後、振り出しに戻される。翔凜のサイドアタッカーであるMF11荒木千晴也(3年)にボックス内深くまで侵入され、ゴール前でフリーになっていたMF7衛藤涼希(3年)に難なく同点ゴールを決められた。 「自分たちの守備の甘さから生まれた失点でした。しかも先制した直後。私から厳しく指摘してもいいのですが、まずは自分たちで何がよくなかったのか、気づかないといけないですし、こういう状況になったとき、どう修正していくのか。みんなでコミュニケーションをとって、具体的にアクションを起こさないといけない。そこは日ごろからいい続けているところでもあります」(中村コーチ) 失点直後、円陣を組んだ市船イレブンはギアを上げた。振り出しに戻された2分後、インターセプトから一気に相手ゴール前にボールを運び、FW13仲野真翔(2年)がキッチリ決めて、翔凜を突き放す。市船が再び試合の主導権を握った。だが、ビハインドの状況をものともせず、ひたむきに挑み続ける翔凜。ゴール前での精度を欠いていたため、2失点目を許さなかったが、最後尾からチーム全体を見渡すGK1ギマラエス・ニコラス・ロドリゲス(3年)が「マジ、軽いぞ!」と叱責していたとおり、特に前半は球際での強度不足が散見された。 スコアは2-1のまま動かず、終了。準決勝進出を果たした市船の次なる対戦相手は、前年度の県予選ファイナルでぶつかった日体大柏だ。11月3日までの1週間で、いかに修正できるか。ピッチに立つ選手たちの「実践する力」がもっとも問われるかもしれない。 (文・写真=小室功)