北海道の港町で“超早期肺がん”を発見した最先端「がんリスク検査」とは?カギは「AI」「尿」
(2回検診を受けた人)「ちょっと検査がつらかったので(定期的には)受けていないね。兄弟とか親がなっているので、自分もなるんじゃないかと心配はある」 (検診の経験がない人)「私はまだ受けていないです。1日かかる時間とか考えたらどうなのかなと」 (数回検診を受けた人)「会社の健康診断で受けました。あんまり周りの人は受けていないのかなと思います」
マチで唯一の総合病院。 横山院長は、岩内町の地理的な特性も検診率が低い要因と考えています。
(社会福祉法人岩内協会病院 横山和之院長)「検診率が低いのは一概に患者の意識の低さではなく、多少(意識が)低くても5分で行けるところにあればなんとなく行く人が増える。なんともないのに苦しい検査っていやなんですよ。なんともないのに時間のかかる検査っていやなんですよ。でもなにかあるかもという風に簡便な検査で言われると、その次の精密検査は受けやすいのかなと」
そこで、岩内町の病院と最新の技術を開発した企業、そして北大病院がタッグを組みました。 (名古屋大発ベンチャークライフ 松本尚樹さん)「がん検診を受けていただくきっかけを提供できればと、ことし(岩内町に)100キットを無償で提供させていただいた。がんのイメージを虫歯の治療みたいな形でイメージを変えていければなと」
検査キットから「早期発見・早期治療」を実現 次の課題は?
岩内町民やマチにゆかりのある100人にキットを無償提供。 そのうちの1人から超早期の肺がんリスクが見つかったのです。 それがあの60代の女性です。
(北海道大学病院呼吸器外科 加藤達哉教授)「肺がんの、本当の早期だった。この段階で見つかって手術できたのは本当によかったと思います」 早期発見に結び付いたこの夫婦は、技術の進歩に驚きながらも正直な実感も口にします。
(60代女性の夫)「たまたまニュースでことしのノーベル賞のマイクロRNAですか。たまたまニュースで見てそうなんだと」 (60代女性)「これは毎年受けた方がいいのかなとか。でも高額だよなとか。でもこれでがんが進行してしまった後に見つかったら、もっともっとお金が必要になるのかなとか、いろいろなことを考えていました」
がん治療の鉄則「早期発見・早期治療」。 命はお金に変えられませんが、次の課題はその「費用」。 「最新の技術」がより身近に広がるカギはそこにありそうです