北海道の港町で“超早期肺がん”を発見した最先端「がんリスク検査」とは?カギは「AI」「尿」
採取した尿と病歴や生活習慣などの情報を送るだけで、がんのリスクをAIが判定する、世界初の検査です。 最大7種類のがんリスクを一度に調べることができます。
検査キットはドラッグストアで購入可能!
(吉岡記者)「最先端の検査でありながら、もう私たちの手に届くところまで来ているんです。売り場には検査キットが大きく展開されています」 このドラッグストアーでの販売価格は税込みでおよそ7万円…! しかし、取り扱いを始めて以降、問い合わせは非常に多いといいます。
(サツドラHD広報 後藤さん)「現役世代で仕事が忙しくて中々検査にいけないという方も、自宅で簡単に検査ができるということと、夫婦で健康に気をつかっている方からの問い合わせが多い」
この最先端技術のポイントは、尿に含まれる「マイクロRNA」という物質です。 がんになると「マイクロRNA」の組み合わせが変化することに着目。 それをAIが分析し、がんリスクを判定するという画期的な技術です。
結果が送られてくるのはおよそ1か月後。 リスクが高い判定が出たら病院での精密検査を行い、異常があれば早期治療へ…という仕組みです。
北海道は肺がん検診率「最下位」その要因は地理的な特性も…
このキットを開発したのは、名古屋市に拠点を置くベンチャー企業です。 この日、後志の港町・岩内町を訪れていました。 (名古屋大発ベンチャークライフ 松本尚樹さん)「北海道は広大な土地、面積当たりの医療機関が少ない現状になっています。がん検診を受けたくても近くに受けられる施設がない」
最先端の技術を開発した企業が北海道に注目する理由。 それは「がん検診率」です。 死因1位の肺がんの検診率のデータを見ても全国最下位。 その著しい低さは明らかです。
なかでも人口およそ1万1000人、札幌から車で2時間、積丹の西に位置する岩内町は、肺がん検診率わずか5.9%。 死亡率も特に高い地域ともいわれています。 ただ、町民に話を聞いてみるとその事情も見えてきました。