前田建設が独自の技能認定制度、報奨金支給で若手の士気高める
前田建設工業は協力会社組織「前友会」の若手技能者を対象に、優れた技能や勤務態度を認定・表彰する独自のマイスター制度を創設した。報奨金の支給によって若手技能者の士気を高め、技能の維持・伝承を後押しする。次世代を担う人材に対するインセンティブの導入により新規入職者の増加や技能者の離職防止につなげ、協力会社と連携した施工体制の維持・強化を図る狙いもある。 【一覧表】ゼネコン4社の業績詳細 創設したのは「前田建設ヤングマスター制度」。前田建設工業の工事への専従率が50%以上、入職から10年以下または30歳以下であることなどが要件となる。トンネル工や型枠工、電気工といった職種を対象とし、業務に関する知識やスキル、勤務態度などを評価する。 今後、各支店や現場所長、評価委員会による選考を経て、2024年度末に第1号となる認定者10―20人を決定する計画。25年6月に開く「前友会総会」で表彰を行い、ヤングマスターへの認定者には奨励金を、その指導役となった熟練技能者には育成慰労金を、それぞれ支給する。 さらに認定者には、ステッカーやバッジとして使える「認定マーク」の授与を検討する。建設現場でこれらを着装してもらうことで、認定制度の浸透や技能向上の機運醸成を図っていく。 建設業界では技能者の高齢化や若年入職者の減少が進んでいる。現場での人手不足が深刻化し、人材の確保・育成の重要性が一段と増す。若手技能者の士気向上を狙った制度の導入は、将来の担い手を確保するための新たな試みとしても注目されそうだ。