大学駅伝3冠へ、国学院大のエースが抱く熱意 平林が「走り続ける」理由とは
今季の「大学三大駅伝」は国学院大がここまで同校初の2冠を達成し、来年1月2、3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝で史上6校目となる3冠制覇に挑戦する。主将、エースとしてけん引するのは平林清澄(22)。今年2月には大阪マラソンを初マラソンの日本最高記録で制したホープは、三大駅伝でも1年時から“皆勤賞”を続ける。「自分は走り続ける必要がある」との思いで駆け抜ける4年間の集大成へ、抱く熱意に迫った。(聞き手 共同通信・山本駿) 【写真】「凄腕」監督の激レア人生 選手としての実績はゼロなのに、無名のチームを「ニューイヤー駅伝」出場に次々導く 派遣社員、給与未払い 2019年、人生で一番のピンチが…
▽チームのために 10月の出雲全日本大学選抜駅伝と11月の全日本大学駅伝は、ともに最終盤まで競る展開で勝ち切った。 「自分個人の力より、本当にチームの力が大きかった。出雲は区間賞を取れたけど、全日本は助けられた。チームとして強くなったと思う」 「箱根の総合優勝が目標で、それができる力があれば、出雲と全日本は勝てるんじゃないかと、当初からチームとして考えていた。狙いにいって取れたのは大きい。やってきたことが間違いじゃなかったと感じている」 主将としてもチームづくりにこだわって取り組んできた。 「自分が3年間過ごしてきた中で、もっとこうした方がいいと思った部分は全部やるようにしている。例えば、目標についても、より細かく設定した。年間の目標だけではなく前期、夏合宿、後期などと区切り、ミーティングで振り返りまで徹底してやっている」 「寮の環境整備についても考えながらやってきた。走りやすい環境は自分たちでつくらないといけない。掃除など、当たり前のことを当たり前にやることは、普通にやれないといけない。寮長としても大事にしてきた」
▽仲間のために 陸上を本格的に始めた福井・美方高から入った国学院大で、三大駅伝には全て出場してきた。 「もちろん、三大駅伝に全部出るというのは入学時からの目標だった。区間賞や優勝を狙う中でも、走り続けていたいという思いはあった」 「陸上自体は個人戦だけど、駅伝だけはチーム戦。誰かがミスをしてもカバーできる。大学駅伝では特にチームの助け合いや人とのつながりを感じられた。駅伝の醍醐味はそこにある」 「(4年で副主将の)山本歩夢が出られたり、出られなかったりで苦しんでいるのを見てきたのもある。歩夢が出る時に自分が走っていないと嫌。そう思ったら全部自分が出て、歩夢が走ったタイミングで一緒に走れたらと思っていた」 山本は入学前から日本一を誓い合った同期。故障などで苦しむ時期には「歩夢と優勝したい」「復活を待っているから」と声をかけ続けた。最後の全日本の前夜には珍しく電話もかけたと聞く。