名門大野球部退部で“エリート街道”を外れた22歳、独立リーグで「心」を磨きドラフト候補へ!「宗山塁を追い越す!」【ドラフト候補インタビュー】
徳島で技術だけでなく“心”も成長
加藤にとって11年連続ドラフト指名を続ける「NPB予備軍」徳島インディゴソックスの環境はいい意味でカルチャーショックを与えることになった。 「みんなの意識がとても高くて、自分の野球に対する考え方も変わりました。最初は思うようにいかなくて悔しい想いもしましたが、やっていくうちに野球が楽しくなってきたんです」 するとまず、自分のアピールポイントがはっきりと見えてきた。 「交流戦でソフトバンク3軍や阪神2軍とも試合をしましたが、NPBの選手は打球の強さや送球の強さ、足の速さといった個人の能力が明らかに高かった。そこを高めながら結果を残すことが大事だと感じましたし、自分の持ち味は強い打球を打てること、肩の強さだと分かったので、そこをアピールしようと思いました」 守備では球際を鍛えるため、橋本 球史コーチとより試合に近い形のノックを行った。打撃でも球団提携施設「インディゴコンディショニングハウス」で速球を打ち返すべく、スピード系のトレーニングにも着手した。 野球に必死に打ち込む中で、いつの間にか課題だった「心」の成長も遂げた。 「ここまで試合数をこなすことはなかったし、リーグ戦前期途中から4番を主に打たせてもらうことになり、チャンスに凡退した時など特に気持ちの部分で大変な点がありました。僕は一打席一打席で一喜一憂するタイプだったので……。それでも橋本コーチや岡本 哲司監督から『打ち取られた時こそ堂々としていないとスケールの大きな選手になれない』というアドバイスを頂いたことで、チームのために全力でプレーする考え方が身に付いたと思います」 技術、体力、そしてメンタルを鍛え上げた加藤。その成果は後期、数字として現れる。前期成績が打率.284、2本塁打、10打点でOPS.862だったのに対し、後期成績は打率.333、4本塁打、31打点でOPS.907。特に後期の打点はリーグトップの数値を記録したのだった。