愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「“日経平均4万円超え”の今後とアメリカ大統領選“もしトラからほぼトラ?”」を解説
◆低迷する中国経済 日本への影響は?
やしろ:日本株が大きく上昇した一方で、経済的にもつながりの深いお隣の中国の株式市場はパッとしないようですが、これはどうしてなのでしょうか。 宗正:最近の中国の株式市場は低迷と言うよりもむしろ下落しています。要因は中国経済の悪化で、特に不動産部門が顕著です。中国のGDP(国内総生産)に占める不動産部門の割合は、全体のおよそ3割ですが、この3割の部門が良くないと当然GDP全体は悪化します。 先週まさに中国の全国人民代表大会(日本の国会に相当)が開かれて、今年のGDPの成長目標を5パーセント前後と発表しました。確かに射程圏内の水準なのですが、昨年の成長率が3パーセントですから、「ちょっとそれは高めなんじゃないの」というのが株式市場の受け止め方です。 私たちのようなプロの投資家は、アジア圏全体で投資額を決めたりもします。下がってきた中国の資金を、上がり続けている日本の株式市場にシフトする。そんな動きも少なからずあると思いますね。 やしろ:「中国は良くないぞ、日本株を買おう」という流れはかなり大きそうですね。 宗正:大きいですね。方向感の違いは分かりやすいですからね。
◆トランプ対バイデン、トランプ氏の再選はあり得るか?
やしろ:アメリカでは、今年の秋の大統領選挙の前哨戦。スーパーチューズデーの結果が出てきています。民主党はバイデン候補、そして共和党がトランプ候補で、ほぼ決まりそうでしょうか。 宗正:「もしもトランプ氏が大統領に返り咲いたら」という意味で「もしトラ」なんてフレーズが生まれましたけど、今では「ほぼトラ」になっていますね。 やしろ:ほぼトランプさんなんじゃないかという意味で「ほぼトラ」。 宗正:11月の本選挙前には、今度は「確トラ」なんてね、それも見えてきた今度のスーパーチューズデーです。 やしろ:確実にトランプを意味する「確トラ」。 宗正:一方で、メディアがトランプ氏ばかりをクローズアップするので、トランプ氏の圧倒的優位に見えがちです。特に日本から見ればそう映るのですが、実際、現地の支持率は現時点で五分五分なんですよ。 日本の選挙もそうですが、実際に投票所に行って投票する人っていうのは、いわゆる意識高い系の層と言いますか、現状の政治に不満を持つ人が多い。そうなると、トランプ氏が有利ですよね。 やしろ:そうですよね。バイデン大統領の政治を変えたいということですもんね。 宗正:両候補者とも一長一短がありますが、アメリカの大統領選って過去の例を見ても、見た目と元気さと発言力ってすごく重要なんですよ。トランプ氏は選挙集会などでも、音楽に合わせてダンスを踊ったりしていますよね。 やしろ:腰を揺らすようなダンスをよくやっていますね。 宗正:よくトランプさんはバイデン氏の年齢を理由に攻撃していますけれど、バイデン氏は81歳、トランプ氏は77歳ですから。大して変わらないんです。 やしろ:でも、見ていると全然違うようにも思えます。バイデン氏はたまに「大丈夫かな?」って思ってしまうようなときもあれば、トランプさんは4年前よりもさらに元気なように見えるというか。その差はありますけどね。 宗正:バイデン氏は踊らないですからね。 やしろ:踊る、踊らないは別にしても、アメリカのトップとしてエネルギーとかパワーみたいなものが大事っていうことですね。 宗正:特にアメリカのトップっていうのは、世界で何か有事が起きた際に、世界の最高指揮官のポジションになりますから、元気・発言力・見た目というのはすごく大事なんですよね。