愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「“日経平均4万円超え”の今後とアメリカ大統領選“もしトラからほぼトラ?”」を解説
◆アメリカは利下げ、日本は利上げに方向転換
やしろ:今お話に出た為替市場、これが今後の日本株の動きに大きく影響してくるということでしょうか。 宗正:日本の上場銘柄は輸出関連企業の割合が高いので、円安・ドル高のほうが企業業績にはプラスに働きます。つまり円安のほうが、日本の株式市場は上がりやすい。 やしろ:1ドル=140円よりも、1ドル=150円のほうがいいということですね。 宗正:その通りです。現在、アメリカの中央銀行(FRB/連邦準備制度理事会)は、昨年までずっと続けてきた利上げを、年内には利下げに転じることを示唆しています。アメリカで利下げということは、つまりドル安につながるんですね。 一方、日本銀行は長らく続けてきたマイナス金利政策を止めて、本格的な利上げに方向転換する動きです。これは円高につながります。しかも日米の中央銀行双方が、その動きを前倒しする気配がずっと続いて来ました。 日銀が利上げに転じる際にもっとも意識してきたのが「労働者の賃金が上がるかどうか」です。まさに(番組放送日の)3月13日は、春闘の集中回答日でした。賃金が上がる前に利上げをする訳にはいきませんが、大手企業に限って言えば、どうやら日銀が目標としていた賃上げ水準を上回りそうです、いよいよですね。 やしろ:賃上げ要求に企業が合意するなど、最近は良いニュースが多いですよね。 宗正:為替市場は、そうした動きを先取りして動きますからね。円高は、日本の株式市場にとってマイナスに働きます。これがどれくらいの水準に落ち着くのか、アメリカと日本の中央銀行はどのタイミングで本格的な動きに出るのかを市場が見定めているのが今ですね。 やしろ:アメリカが利下げをして日本が利上げをするとなると、為替市場では大きな流れがついに来たという感じなのでしょうか? 宗正:異なる金利の方向感、ついに来ましたね、ドル安・円高につながる動きです。 やしろ:もしかすると130円くらいまで円高が進むかもしれませんか? 宗正:為替市場はなかなか予想が難しい。株式市場は全体の総意で株価が決まりますが、為替市場は、少ない市場参加者でも動くときにはけっこう一方向的に動くのが特徴です。