「学校の勉強とは違う」…コカ・コーラを日本一売った男が実践する「売れる営業」の神髄
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第2回 『「お前がやりたいことは何だ」…プー太郎寸前の「Fラン出身ダメ社会人」を変えた先輩の一言』より続く
一日30分本を読む
よく営業は現場で学べと言われます。そこで私も先輩が話していることを真似てお客さんと接していましたが、一向に営業成績が上がりません。 書店で営業のノウハウ本を何冊か買ってきて、「そうか、イエスバット話法か。まずは相手の話を聞いて、それから反論すればいいのか」といった具合に、本から仕入れたインスタントの曖昧なノウハウで売り込みに臨んでみました。しかし、少し踏み込んだ話になった途端に会話のキャッチボールが上手く進まなくなり、自分で話している言葉がなんとも薄っぺらいことを思い知らされただけでした。 その日も予定のお店を回り終えた頃にはすっかり暗くなっていました。営業所に戻って、翌日配達する商品をトラックに積み込み、重い足取りで事務所のパイプ椅子に腰を掛けます。
筆者を変えた読書のアドバイス
やっとのことで配達を終えましたが、新規開拓や機材の設置といっためぼしい成果はありません。ため息交じりで日報の売り込み実施欄にチェックを入れていると、後ろからポンと肩を叩かれます。振り向くと、山根所長です。 「どうだ、調子は」 「頑張っていますが、なかなか難しいです」 すると彼は私のカバンのポケットにある営業の本に気づいた様子。 「ほう、こんな本を読んでいるのか」 「書いていることを真似てやっているだけです。でも、なかなか上手くいかないですね」 そのときの山根さんのアドバイスがいまの私をつくってくれました。彼はカバンから私の買った本を取り出し、パラパラとめくりながら話しかけてきます。 「すべてのことに言えるんだが、専門的な知識をどれだけ蓄えても、それは電信柱のような一本の棒みたいなものだ。それだけではちょっとしたことで倒れてしまう。いま、読んでいる営業の本には役に立つことがたくさん書かれていると思うが、それだけをちょっとつまんで現場に持ち込んでもしっかりと使えるものにはならないんだ」 山根さんは続けます。