原発のごみ、日本に埋める場所ありますか? 2.地下環境とその機能
ちなみにそれを実際のものとして写真で見せると、例えば断層。これは花崗岩の中にできた断層なんですが、皆さんは断層というイメージ、どういったように持っておられるかっていうのはあると思うんですけど、断層っていうとぱかっと開くわけではなくて、断層っていうのはすりつぶしますので、ここに入ってるのはこういう粘土鉱物、粘土状のすりつぶされたようなものが詰まります。一方、割れ目っていうのは、逆に言うとこちらのほうがぱかっと割れる状態のものがありますので、こういうところに割れ目があって、それが開いたりしていると。 ちなみにこれ、地下の800メートルから採取した実際の割れ目と周辺の岩石、これは花崗岩なんですけど、これをお見せしますが。さらにその周辺の部分を岩石のマトリクス、基質というんですが、そこにも微細な空隙があります。こういったところにも地下水は入り込んでいるということです。
そこを、例えば割れ目においては、じゃあ、その割れ目の周辺はどうなっているかというと、これは水が流れる割れ目なんですが、そこを見ると岩石の周辺からこういう、なんて言いましょう。のこぎり状の鉱物、結晶が成長しています。ただ、これが全て開口しているかというとそうではなくて、中にはシーリングされているものもちゃんとあります。こういった開口している、していないっていうのが、どれぐらいの割合であるのかっていうのもちゃんと調べる必要があると。 そういったものを先ほどの瑞浪の超深地層研究所では実際の坑道を逐一、もうつぶさに見て、で、全ての割れ目を引っ張り出して、そこからどれくらいの割れ目が広がっているかとか、そういった研究もなされています。 その成果ですけど、最近やっと分かってきたのは、透水性割れ目っていうのは、水を通す割れ目っていうのは約1割ぐらいだと。これ花崗岩の事例ですが、そういったことが分かってきました。こういうのは実際、この目的のために研究しないとそういう成果っていうのは得られないと。実際地下に、鉱床も何もないところに穴を掘って、それだけのお金をつぎ込んでやるっていうのは、今回初めてやられてきているということですね。ただ、この割れ目の1割ぐらいだっていうのは、実はほかの研究事例でも得られてはいるんですけど、今まではそれを具体的に提示したことはなかったということですけど、こういうのが初めて地下研究の事例からも分かってきているということです。