小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」一挙放送決定! 制作統括が語るリアルな描写の裏側
――小泉今日子さん、小林聡美さんを迎えてホームドラマを制作しようと思った経緯をお聞かせください。 「去年の春頃でしたが、書店で『団地のふたり』の原作を見つけたんです。“団地”というタイトルと装丁のかわいらしさにひかれて手に取ってパラパラと読んでみたら、小泉さんと小林さんの姿が自然に浮かんだんです。僕らは職業柄、どうしても純粋に物語を読めない部分があって(笑)。小泉さんとは『パパとなっちゃん』で、小林さんとも何本かご一緒させていただいている縁があるので、ご本人に原作をお送りしたところ、『企画書に自分の名前を(キャスト名として)入れていいですよ』というお返事をいただいて。それで、『こういうドラマを作りたい』とNHKさんに提案させてもらいました」 ――華やかな存在感の小泉さんを、団地に住む“普通の50代女性”に据えるという発想が少し驚きでした。小泉さんの反応はいかがでしたか? 「最初、小泉さんには『八木さん、この役は無理です』と言われたんです。僕も、今でもアイドルの彼女にホームドラマでのリアルな役は難しいのかなと思って。でも、そういう意味合いではなくて、『私、再来年還暦の学年なので。50歳の役はできないですよ』という理由だったんです。原作のノエチとなっちゃんは50歳だったので、小泉さんは、『男の人には分からないだろうけど、女性の50と60は全然違うから演じきれない』と思われたそうです。でも、僕からすると、小泉さんも小林さんも50歳の設定で全然いけると思ったので…。折衷案でドラマの役柄は55歳という設定で落ち着きました。それにしても小泉さんは潔い方ですよ。女性の場合、どうしてもご自分の年齢を曖昧にしたくなりますが、彼女は自分自身を隠さないんです」
――お二人にノエチとなっちゃんを演じてもらってよかったと思った瞬間はありましたか? 「ご覧になった皆さんはアドリブが多いのではと感じるそうですが、実は、ほぼ台本通りなんです。それがアドリブに見えるのは、小泉さんと小林さんだからこそ醸し出す空気感があってこそなんだろうなと思います」