「私も妹もパパが大好き」父は田中稔、母は府川唯未…女子プロレスラー・田中きずな(19歳)が明かす“家族のルール”「(夫婦像に)憧れます!」
“7歳下の妹”が産まれて「私は2番なんだ」って
――でも、心配をかけないことと甘えることは、また別問題なんじゃない? 田中 甘え方がわからなかったっていうか……。7歳下に妹がいるんですけど、妹が産まれてなおさらわからなくなって。妹が産まれた日に、妹ができたから私は2番なんだって思っちゃったんですよ。それまではずっとパパとママと3人で寝てたんですけど、妹が産まれて、ママと妹が病院にいる期間があって、パパと2人になって。でも、パパはお仕事でいないときに、初めて親がいないことを体験して。これからはこうなんだって思って寂しかったんですけど、2人には言えなかったですね。 ――そのときで、小学生の低学年。 田中 それぐらい、ですね。去年とかですかね、お母さんから「妹が産まれたころはほんとは寂しかった?」って聞かれたけど、そのときも「そんなことないよ」って言いましたね。人に甘えるのが、得意じゃなくて。よく意外がられるんですけど、なんだろうな……。壁を作ってしまったり、人見知りで、全部を打ち明けられる人ってほんとに限られていて。基本的に親だけじゃなくて、誰にも心配かけないように、笑顔でいようといつも思ってるところがあるので。 ――限られているとはいえ、打ち明けられる人が1人でもいることに安心しました。その、人に迷惑をかけたくないのは遺伝子なのかな。 田中 あー、お父さんが弱音を吐いてるのって、見たことないです。そういうのもあるかもしれないですね。絶対大変なはずなのに、「家族のためにありがとう」とか言うと、「家族が喜んでくれてるのが俺の幸せだから、大変じゃないよ」とか言ってくれて。
「娘から見てもいいなって思う」田中家の夫婦像
――冒頭からずっと、田中夫婦はほんとうに仲がいいんだなということが伝わっています。 田中 ほんとに、すっごい仲いいんですよ。お父さんは私と2人のときにいつも、「ママのことを幸せにしてあげたいんだよね」みたいな話をしてるし、ママはママで「パパでよかった」って言ってるので、娘から見てもいいなって思う。昔のプロレスの映像を観てると、お父さんとお母さんがタッグを組んで試合してって、そういうのはなかなかできないじゃないですか。大好きなプロレスのリングで、大好きな人と組んで、そして結婚してって、すごくないですか!? ――あこがれますか? 田中 あこがれます! ――小さいころ、家にプロレスラーが遊びにきたなんてありますか。 田中 お母さんの現役時代の親友の大向(美智子)さんとか玉田(凛映)さんには、小さいころからかわいがってもらいましたし、あと、お父さんの新日本のときのパートナーだったフィン・ベイラーさん(現WWE。当時のリングネームはプリンス・デヴィット)。パパのパートナーだから私も家では、「デヴィちゃん」って呼んでて。中邑真輔さんが新しいお家を建てたとき、パーティーに呼んでいただいて、お父さんと2人で行ったこともあります。まだ(自分は)小さくて、そこにもデヴィット選手がいらっしゃっていて、お寿司のわさびを全部取ってくれたりしたのを覚えてます。 ――みなさんがすごい選手であるという認識は、当然なくて……。 田中 ぜんぜんないです。みんなパパのお友達、みたいな感覚なので。いま思うと、すごいことだったんだなぁって思いますけどね。《インタビュー第2回に続く》 (撮影=杉山拓也)
(「格闘技PRESS」伊藤雅奈子 = 文)
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