【更年期の基礎知識】女性ホルモンが減るとリスクが高まる病気4つとは?
Q. 子宮筋腫は閉経後治る?
A. 閉経後、筋腫は縮みます。けれど、要注意の人も 「子宮筋腫は閉経すると縮んでいきます。ただ、大きい子宮筋腫がある人は、稀なケースとして肉腫に変わる可能性が。筋腫が巨大化するのは、細胞増殖度が高かったということが考えられるからです。閉経後でも、筋腫が少しずつ大きくなっているという人は、手術という選択肢も。筋腫を持ったまま閉経した人は、必ず婦人科検診を継続してください。肉腫になっているかどうかはMRI画像、血液検査、腫瘍マーカー検査で判断します。また、HRTを行うと筋腫が大きくなるので、行っている人も必ず検査を。エクオールは子宮への作用が少ないので、筋腫が大きくなることはありません」
Q. 突然コレステロール値が爆上がり。閉経と関係ある?
A. 関係あります。閉経して女性ホルモンが減少すると、悪玉コレステロールが増えます 「40代以降は女性ホルモンが減少する影響で悪玉コレステロール(LDL)値が上昇するため、コレステロール値の爆上がりは閉経と関係あるといえます。ただし『運動習慣がない』『食べすぎている』などで体重が増えて上昇する可能性も。閉経だけを原因と思わず、ライフスタイルの見直しは必要です。また悪玉コレステロール値は低くても善玉コレステロール(HDL)値が高く、総コレステロール値が高い場合もあるので、血液検査で必要数値をしっかり測定して」 次回は「HRT (ホルモン補充療法)をすると若返るって本当?」という疑問に答えてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/平松昭子<アイキャッチ> 構成・原文/井尾淳子