エコでお得? ヨーロッパで拡大する「バルコニーソーラー発電」 の魅力
どんどんお手頃になっているソーラーパネル
バルコニー用のソーラーパネルがヨーロッパ各地で普及している。 特にドイツでは約150万世帯が設置していると、英紙「ガーディアン」は報じている。 【画像】「だいたい6年以内に元が取れる」 パルコニーパネルの魅力とは? 屋根ではなく、バルコニーに設置するソーラーパネルは、都市部の「建築環境を利用して自家発電するための新たな一歩」として注目を集めている。 メーカーの発表によれば、300ワットのパネルをバルコニーに2枚設置すると、一般家庭の電気代を最大30%節約できるという。 パネルはコンバーターを介して家庭の電力網に直接接続可能で、パネル(2枚)の費用は400~800ユーロ(約6万5000~13万円)。ほかの太陽光発電システムと同様に、太陽が出ている昼間しか発電できないが、それでも「だいたい6年以内に元が取れる」そうだ。 また、バルコニーパネルは屋根への設置の際に必要な「住民多数の同意」なしに設置が可能だ。そのため、都市部のアパートに住む人たちにとって、格好の自家発電ソリューションとなっている。
都市部ではバルコニーの垂直面積は屋根の表面積より広い!
人口の3分の2がアパートに住んでいるスペインでもバルコニーパネルへの関心は高まっており、スペインの大手電力会社のひとつであるトルナソル・エナジー社のCEOサンティアゴ・ベルネッタは、同紙にこう語っている。 「ソーラーバルコニーの利点は、手軽で、安価で、柔軟性があり、コンバーターを介して直接、自家消費できること」 さらに「800ワット未満のソーラーパネルの設置には認証(手続)不要」という簡便さも普及の要因になっているようだ。 多くの都市部では、アパートのバルコニーの垂直面積は屋根の表面積よりもはるかに大きい上に、バルコニーパネルは冬の低い角度の太陽光に対して特に効果的だ。 バルコニーパネルの普及は、現在97%を外部電力に依存する都市の自立性を向上させ、再生可能エネルギーモデルへ移行させるという各国の目標にも合致している。 その目標達成には、中央集権的な電力システムから、より民主的かつ分散・参加型のモデルへ移行させる必要があることを同紙は強調し、バルコニーパネルはまさにその条件にかなうモデルだと述べている。 バルコニーパネルの普及の要因には、ウクライナ戦争に伴う高いエネルギーコストもある。 同紙によれば、太陽光発電の分野でトップをいくのはドイツで、スペイン、イタリア、ポーランド、フランスでもバルコニー発電の人気が高まっているという。 ただ、さらなる普及のためには、より支援的な政策やインセンティブが必要だと述べている。
COURRiER Japon