1ドル180円も意識「80年に一度のグレートリセット」警戒 ワタミ海外事業10倍へ
【経営者目線】 あけましておめでとうございます。2025年は、「サブウェイ3000店舗への土台作り」の年となる。 新メニューやモデル店を春にはお披露目する。コーヒーも変える予定だ。そうした土台をもって、まずは「10年1000店舗」へ向け、夢のはじまりがいよいよ本格的にスタートする。 ワタミグループ全体では、円安を意識しながらの経営となる。海外事業は昨年の10倍の利益という予算計画を担当役員があげてきた。香港の赤字がとまり、その他の国はすべて成長曲線にのっているのが大きい。 加えて、シンガポールでM&A(合併・買収)した、食品加工卸しのリーダー・フード社が想定より好調だ。米国でM&Aした、すし事業も販路を拡大している。今年はロサンゼルスへの出店も準備している。 この時期、マスコミから今年の為替や日経平均の見通しについての質問を多く受ける。通常のシナリオでは、日経平均の予想レンジは昨年末の3万9000円台が上限で、2万5000円台までの下落もあるのではないかと思う。為替は1ドル150円~180円とみている。 今月就任するドナルド・トランプ次期大統領次第のところが大きいが、輸出規制や関税は、インフレ要因となり日米金利差は縮まることはなく、拡大していくだろう。大暴落となれば、1ドル300円、株価1万5000円もありえると警戒する。仮に、円高、株高局面があっても〝瞬間風速〟で、長期トレンドは変わらないと考える。その理由は、悪化が止まらない日本の財政状況だ。 今年は終戦から80年となる節目の年だが、私はアメリカの学者が提唱する「80年周期説」を警戒している。太平洋戦争、明治維新とこれまでも80年に一度大きな変化を迎えている。 終戦の翌年1946年に日本は預金封鎖と、ハイパーインフレを経験している。対GDP比債務も当時の水準以上で、同じことが起きても不思議ではない。与党の過半数割れで、バラマキ政策の大衆迎合が加速している。財政破綻など起きるわけがないという人もいる。しかし80年前も、日本が戦争に絶対負けるわけがないという世論が大勢だった。 来年度予算や、それに伴う財源を赤字国債(借金)に依存する姿を世界がみて、日本の国債の格付けが下がることを直近ではいちばん危惧している。格下げは、破綻の引き金になりかねない。