見逃せない2025年注目の邦画10選
『宝島』2025年公開
第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説を映画化。第2次世界大戦後、日本に返還される前の沖縄で、米軍基地から盗み出したものを人々に配る“戦果アギヤー”と呼ばれた者たち。戦後20年にわたる彼らの激動の運命をつづっていく。『るろうに剣心』シリーズの大友啓史がメガホンをとり、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが共演。ハリウッドのスタジオも製作に名を連ねる日米共同製作で、沖縄で大がかりな撮影を敢行。日本映画の常識を超えたシーンが確約されている。沖縄の過去が日本の現在と地続きになる物語。作り手たちの熱量が伝わる、骨太な感動作がお目見えするのではないか。
『ブラック・ショーマン』2025年公開
天才物理学者・湯川学の『ガリレオ』シリーズを生んだ、原作・東野圭吾×主演・福山雅治の名コンビが、新たに挑む話題作。世界各国で翻訳された東野のベストセラー「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」が原作で、ラスベガスでも人気だった元マジシャンの神尾武史が主人公。鮮やかなマジックのテクニックを持ち、他人を騙すのも得意。何事にもクールに対処し、近寄りがたい、ある意味“ダークヒーロー”的側面をもつ神尾役で、福山の新境地が予感される。そんな神尾の姪で、彼と共に殺人事件解決に臨むヒロインに有村架純。2人のバディムービーとしての魅力を備えたミステリーが誕生する。
『Broken Rage』Prime Videoで2025年世界配信予定
『首』に続く北野武監督の新作は、Amazon MGM スタジオと組み、Amazonプライムで配信される。第81回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティションで上映され、ヨーロッパの北野ファンを喜ばせた。警察とヤクザの間で「ねずみ」という名の殺し屋がサバイブする物語は、いかにも北野映画らしいが、ユニークなのは上映時間62分で2部作という点。前半はシリアスな犯罪サスペンスで、後半は同じストーリーを笑いもたっぷりのセルフパロディーで描くという大胆な作りは、観返して楽しめる配信にはぴったりだ。ネズミ役を監督自身(ビートたけし)が演じるほか、浅野忠信、大森南朋、中村獅童といった『首』のキャストが再集結した。