見逃せない2025年注目の邦画10選
『国宝』6月6日公開
吉田修一の小説が映画化されると常に注目されるが、この原作は彼が3年間にもわたって歌舞伎の世界に出入りして執筆した渾身の力作。吉沢亮がヤクザの家に生まれながら歌舞伎の世界に入る主人公・喜久雄を演じ、歌舞伎の名門の跡取り息子の俊介に横浜流星のほか、渡辺謙、寺島しのぶら豪華キャストが集結した。伝統芸能の世界を背景に、喜久雄と俊介が芸を磨き、やがて国の宝といわれる役者になるという重厚で壮大なストーリーが展開。監督の李相日は『悪人』『怒り』に続いての吉田作品。2025年を代表する、まさに“国宝的”傑作となる可能性を秘めた一作。
『秒速5センチメートル』秋公開
アニメーションの巨匠として日本のみならず、今や世界中からリスペクトを集める新海誠監督。映像美や音楽のセンス、美しいセリフなどで彼の“原点”とされてきた『秒速5センチメートル』が、新海作品で初の実写化。小学生、高校生、社会人と主人公の18年にわたる物語を、新海作品『すずめの戸締まり』にも参加した松村北斗が演じる。松村は本作の他にも『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)が公開され、2025年はさらなる飛躍が期待できる。監督はその瑞々しい才能で日本映画期待の星といわれる奥山由之。弟は昨年『ぼくのお日さま』が話題になった奥山大史監督だ。
『新幹線大爆破』Netflixで2025年世界独占配信予定
配信の映画で2025年に大きな話題を集めそうなのが本作。1975年に高倉健が主演して大ヒットし、ハリウッド作品の『スピード』にインスピレーションを与えたという同名作のリブートだ。走行中の新幹線に爆弾を仕掛けた犯人が、乗客の命と引き換えに大金を手に入れようとする特大スケールの犯罪スペクタクルが、現代にどのようにアップデートされるのか。監督は『シン・ゴジラ』などの樋口真嗣ということで、VFXを駆使した度肝を抜くビジュアルに期待が高まる。主演は樋口監督とは『日本沈没』以来18年ぶりのタッグとなる草なぎ剛。Netflixならではの大胆なチャレンジ精神が満ちた力作になりそうだ。