胃腸の調子が悪いのは【横隔膜の動き】が鈍っているせいかも?内臓機能を活性化する「横隔膜ほぐし」
気温差や不快な湿度、ころころ変わる天候などの影響で、内臓の調子がイマイチという人はいませんか?その原因のひとつに「横隔膜」の動きが考えられます。呼吸をしながら背骨を動かし、内臓の緊張をやわらげるヨガをお伝えします。 *写真で詳しいやり方を見る→内臓機能を活性化する「横隔膜ほぐし」 ■呼吸には2種類ある 呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸の2種類があります。 【胸式呼吸】 肋骨と肋骨の間にある「肋間筋(ろっかんきん)」が肋骨一本一本の隙間から横に広がるようなイメージで、そこに取り込まれる呼吸。 【腹式呼吸】 「横隔膜(おうかくまく)」がメインとして動く呼吸。息を吸うときに横隔膜が下がり、吐くときに上がります。 ■■腹式呼吸は胸式呼吸と比べて換気率が約3倍 どちらの呼吸法も肺で空気の交換が行われていますが、肺自体は自ら伸び縮みすることができないので、周囲の筋肉や骨の動きによって、呼吸が身体に取り入れられています。胸式呼吸でおもに使われる肋間筋や肋骨の方は動く範囲が少なく、反対に腹式呼吸で使われる横隔膜はより大きく動きます。そのため、肺活量や体内の換気率は腹式呼吸の方が高くなるという仕組みになります。胸式呼吸と比べると、腹式呼吸の換気率は約3倍ともいわれています。 ■■現代人は肋骨や横隔膜が動きにくい 横隔膜は、肝臓や胃、腸などの腹部内臓の上部に位置しており、呼吸と共にこれらの内臓を動かし、サポートをしています。 しかし現代人は、猫背など内側に身体が丸まる姿勢の人が多く、 肋骨や横隔膜が動きにくくなっています。そのまま放置すると、過度の緊張状態が続き、胃や腸などの消化器系に圧力がかかり、消化不良や腹部膨満感、便秘などの症状が現れることがあります。 さらに胃酸が食道に逆流しやすくなり、胸痛や逆流性食道炎、肝臓や胆嚢も影響を受ける可能性があります。 ■■呼吸をコントロールしてリラックス またストレスや自律神経の乱れなどで呼吸が浅くなることも、横隔膜が十分に機能しなくなることの一因。内臓にも悪影響を与えてしまいます。おすすめは吐く息を意識すること。息を吐くときは筋力が弛緩するため、身体の力が抜けやすくなり、意識的にリラックスした状態へもっていくことができます。 ■内臓を元気に!横隔膜ほぐしヨガ 1、楽な姿勢で座り、手のひらを肋骨の一番下、「ハの字」になっているところに添えます。じんわりと手のひらの温度が内側に伝わっていくのを感じましょう。 2、両手を太ももにおき、一息吐きます。息を吸いながら、骨盤から肋骨、みぞおちを前に押し出します。首の前側も広げていきましょう。 3、吐きながら、胸の真ん中からみぞおちを後ろにしまい込むように、背中を丸くしていきます。頭の力も抜きましょう。この動きを3~5回程度繰り返しましょう。 4、息を吸いながら身体を起こし、大きく吐きます。 ライター/岩崎奈緒子(ヨガ講師)
岩﨑奈緒子