大谷翔平が生んだ熱気? 米MLBワールドシリーズのチケットが380万円! 「庶民の娯楽」が高嶺の花になる“異様”
大谷翔平の所属するドジャースが10月21日、本拠地でおこなわれたメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦に10-5で勝利し、2020年以来、4年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出を決めた。 待ち受ける相手はア・リーグ王者のヤンキース。これまでリーグ優勝41回、WS優勝27回と、ともにメジャー最多の記録をほこる東の名門だ。一方のドジャースは、リーグ優勝は2位の25回、WS優勝は6位の7回と、こちらも西の名門といっても過言ではないだろう。 両チームの勝ち上がりでおこなわれるWSの対戦は、史上最多の12度め。通算成績はヤンキースの8勝3敗となっている。待ちわびた対戦となったが、「困った事情もある」と現地記者は語る。 「メジャーリーグでも屈指の人気を誇る両球団ですから、WSでの対戦を夢見る両チームファンは非常に多いんです。それが1981年以来、43年ぶりのことなんで、全米では大きな盛り上がりを見せています。 それ自体はいいことなんですが、好カードゆえ、ロサンゼルスでもニューヨークでも、チケット代が異常なほどに高騰しているんです。ドジャースがWSに進出した場合のチケットが10月18日に発売されましたが、球団公式サイトは、最安値がポールそばの外野席にもかかわらず、800ドル(約12万円)です。それでも数時間で完売しました。内野席なら2枚で30万円から50万円はざらです」 チケットがなければ、余計にほしくなるのがファンの性。熱烈なファンであればあるほど、あらゆる手を使ってでも手にしたくなる。となれば、チケットを売買する仲介業者のサイトに頼るしかなくなる。 あるサイトでは、第1戦がおこなわれるドジャースタジアムの3塁側、ドジャースのベンチ上の席は、手数料込み日本円で、約380万円で売り出されている。 「メジャーの観客席といえば、祖父や父親に連れられた子どもたちが、顔より大きなグローブを持って飛んでくるボールを捕るのがある意味、名物でもあったわけです。いわゆる庶民の娯楽のひとつとして、長い間、ファンに親しまれてきました。 ところが、選手年俸の高騰化もあって、いままでのような料金システムでは球団運営が回っていかなくなりました。その点では、チケット代高騰もいたし方ない部分はあります。野球は、だいたい勝負が決するのは3時間程度ですので、料金の高い席なら1時間で100万円強、かかるということです。とても庶民が払える金額ではなく、もはや米国における野球は富裕層の娯楽になってしまいました。多くのファンが『家でテレビを見ながら応援するよ』とあきらめています」(同前) 仲介業者のサイトのほとんどが、需要に応じて価格が変動するシステムなので、最高額はさらに上昇するかもしれない。これもある意味、大谷の“異次元”の活躍ゆえだろうか。