わかりやすいカッコよさと優れた機動性が「新しい」!スズキ新型「フロンクス」を公道で初試乗
ずーっと運転していたくなるのは「ほどよい刺激」のせいか?
一方、本格的に「コンパクトだけれどカッコいいクーペスタイルSUV」らしいキビキビ感や機動性がよりはっきりと味わえるのは、やはり2WDの方ではないでしょうか。 K15C型パワーユニットは2WDが最高出力101ps/最大トルク135Nm、4WDが99ps/134Nmというカタログ数値(微妙な差ですね)。1.5Lの自然吸気ながら今どきのエンジンらしく、低速でも扱いやすいフレキシビリティを備えています。 開発者によればスタート時にのみ電気モーター(3.1ps/60Nm)のアシストが入るそうですが、それはあくまで燃費節約のため。体感できるようなサポート感はありません。となると総じて、60kg分の軽さはやはり大きいわけです。 なによりこのエンジン、2500rpmを過ぎたあたりからググっとトルクが盛り上がる「スポーティ」な一面も備えているのですが、その気持ち良さが2WDはより明快でほどよく刺激的に感じられるのがポイントと言えるでしょう。 とはいえCVTではなく6速ATを採用していることで、エンジン回転とパワー/トルクの盛り上がりがしっかりシンクロしている心地よさは、駆動方式に関係なしのフロンクスの魅力となっています。より積極的に「加速感」を楽しみたくなるタイプなので、アクセルを踏み込む右足にもついつい気合が入ります。 さらにドライバーの走り心をくすぐるのが、アクセルレスポンスが向上するスポーツモード(スズキの2WD車としては初の設定なのだそう)やパドルシフトの標準装備。けっして劇的に速いわけではないけれどほどよい力強さを使いこなす楽しみもまた、「格別」と言えそうです。 高速道路では、遠出をするときにあると便利なアダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能・停止保持機能付)を試してみました。とくに好印象だったのはレーンキープアシストのフィール。車線を維持するための入力がとても自然なので、任せて安心です。 走りの部分で少し気になったのは、減速感にややムラが感じられたところ。ATのセッティングによるものなのか、ブレーキ回生によるものなのか微妙にはっきりしませんが、減速トルクが一瞬強くなったり、フッと軽くなるような変化が微妙な違和感として感じられました。あくまで「微妙」なので、慣れれば気にならないレベルではあります。